2019年、ウガンダ、ケニア、ソマリア、エチオピアなどを含んだ東アフリカ地域は、深刻な洪水に見舞われた。
雨は数ヶ月のあいだ降り止むことはなく、その被害は国境を越え、被害者数は数百万人にも上る。
原因は「インド洋ダイポールモード現象」(IOD)。
実はこの洪水、インド洋を東側から挟むインドネシア・オーストラリアでの極度な乾燥と繋がっているのだ。
IODは、インド洋の西側で海水温がなんらかの原因によって上昇し、また東側では低下する現象のことであり、結果、西側の周辺地域で豪雨が発生する一方で、東側の周辺地域では極端な乾燥が引き起こされるのだ。
そして、2019年、インドネシアやオーストラリアでは火災が非常に多かったのである。
IODは、気候変動が進むとより頻繁に発生する可能性があるという。
大きなインド洋を挟んでいても、気候問題は地域を越えるのだった。
2019年の気候問題についてもっと知る→「2019年潜んだ世界の10大ニュース」
(写真:Franck Vervial/Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])