2015年、国連ニューヨーク本部。手前の総会ビルと奥の39階建ての事務局ビルにプロジェクターで投射されているのは当時、国連で採択される直前の、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)を表すアイコンである。17の目標には2030年までに解決しなければならない貧困や労働、不平等、気候変動など世界が抱えている深刻な課題が記されている。
この輝かしいイルミネーションは目標が採択された当時の希望を表わしているとも言える。その採択から5年、政府、企業、NGOなどがこのカラフルなアイコンを様々な形で展示する。
しかし、実際のところ、肝心な目標の達成の見込みはあるのだろうか。達成に向かって進んでいるのだろうか。残念ながらその答えは「ノー」と言わざるをえない。SDGsのカラフルな「飾り」として印象に残すこともそれなりの役目はあるであろう。しかし、その達成を妨げる数々の課題を解決する為には世界中で抜本的な改革が求められる。
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(写真:United Nations Photo / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])