日本の新聞はどのくらい世界のことを発信できているだろうか?報道している内容は偏っていないだろうか?どのように世界を描いているのか?その国際報道はどのように変わってきているのだろうか?
GNVでは2015年から日本の大手新聞3社(朝日・毎日・読売)のすべてのニュースを調べ、国際報道に関するデータを集めている。さらに、ニュースの分野、関連国、記事が与える印象など、11つの項目によってすべての国際報道の記事を分析することで、多様な視点から国際報道を考えることを可能にしている。
ついに今年公開されたマンスリーレポート(Monthly report)は、これらのデータを月毎にまとめ、主な結果をビジュアル化したものである。月毎に表示することで継続的かつ長期的に国際報道の傾向を見ることが出来る。(※1)
マンスリーレポートは大きく3つの項目に分かれている。
1.国際報道全体の分析
3社の月間・年間割合とその月ごとの推移、掲載面の割合を表示している。例えば、現在日本の新聞の国際報道は全体の10%にも満たない場合が多いことがここでは明らかになっている。
2.地域・国別の分析
地域や国別の割合や報道量の推移を表している。ここで特に注目していただきたいのが国別報道量の分析だ。地域の中でも特に報道されている国・されていない国を一目でわかるように色で表現した。ぜひ地域別と併せて見てほしい。(※2)
3.記事の印象の分析
我々は各記事の内容をポジティブ・ネガティブ・中立の3つに分けて分析しており、これについてもマンスリーレポートでは各3社の割合及び推移、さらに地域別において示している。全体で見ると、ネガティブがポジティブをはるかに上回る。しかし、地域によっては必ずしもそうではない。ではどのような地域でポジティブが多くなっているのだろうか?
マンスリーレポートには分析ではなくデータだけを載せている。GNVによる国際報道の分析は、News Viewの記事をご覧いただきたい。ぜひこのデータと世界の出来事を合わせて、国際報道の問題点を皆さんで考えてみて欲しい。
脚注
※1 2017年1月4日現在は2015年の一年分のデータを公開済で、月毎のデータ及び2016年以降のデータは順次公開予定
※2 国別のグラフは1月中旬に公開予定