ここはウズベキスタンの「青い街」サマルカンド。美しい羽織をまとった画面左の男性はただ今作業の真っ最中である。手がけているのは書道作品、書かれているのはアラビア文字だ。
書道は漢字圏の文化だとは思っていないだろうか?
アラビア書道は、イスラム教の教典『コーラン』をいかに美しく書き上げるかを追求することで発展し、実に1,000年以上の歴史を持つ。
この国の文字表記というと、ラテン文字やキリル文字を想像される人もいるかもしれない。しかし、ウズベク語の正書法はアラビア文字、ラテン文字、キリル文字としばしば変更されてきた経緯を持っているのだ。
ペルシャ語、アラビア語、ロシア語から様々な語彙を取り入れてきたウズベキスタンを、文字・言葉の観点から見直してみるのも面白いかもしれない。
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