傘のような見た目を持つこの特徴的な木は、ベニイロリュウケツジュまたはソコトラ・ドラゴンツリーと言い、インド洋に浮かぶイエメンのソコトラ島の固有種である。樹脂が竜の血のように赤いことからこの名が付けられた。
この木は、実が家畜の餌として利用されたり、樹脂が染料として貿易に用いられたりするなど古くから経済的に重要な役割を担ってきた。
この他にもソコトラ島には様々な植物が存在し、ここでしか見られない固有種も多数存在することから「インド洋のガラパゴス」とも呼ばれる。しかし、この美しい島にも開発や気候変動、そして部分的ではあるがイエメンにおける紛争の影響が差し迫っている。この木が見られなくなるのも、そう遠くないのかもしれない。
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(写真:Rod Waddington / Flickr[CC BY-SA 2.0])