ここはスペイン南部のアンダルシア地方に位置するコルドバ。
白い壁に小鉢がつるされ、鮮やかな花が小道を彩る。
夏には厳しい暑さに見舞われるこの地では、古くから避暑地として、「パティオ(中庭)」が受け継がれてきた。
10世紀ごろには、何百種類の植物や涼しげな噴水といった現在の「パティオ」と同様のつくりが確立していたという。
パティオは家の外の気温に比べ、10℃から15℃低くなる。
その機能性の高さに留まらず、景観としての美しさも人々を魅了する。
毎年5月には、ユネスコの無形文化遺産にも指定されたパティオ祭が開催され、人々は中庭を開放し、多くの観光客を招き入れる。
パティオの維持には手間もかかり、技術も必要となるが、各家庭で親から子へと伝承されていく。
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(写真:Botond Horvath /shutterstock.com)