ジンバブエとザンビアの国境を流れるザンベジ川。
中流には面積が世界第2位、貯水量が世界第1位の人工湖カリバ湖がある。
この世界最大級のカリバ湖をせきとめるのがカリバダムである。
現在、中国企業がカリバダムを利用したジンバブエ最大の水力発電プロジェクトに着手しており、作られた電力は、ジンバブエとザンビアへと供給される。
電力供給を2−3割増やし、電力不足の大幅な緩和を実現することになるとみられている。
手前の銅像は、”ニャミニャミ”というザンベジ川の神様・神獣であり、昔これを崇拝していたトンガの人々がこの土地に住んでいたことを示す。
彼らは植民地時代、ダム建設にあたり強制移住させられたのだ。
その補償として灌漑や電気の供給を約束されたが、未だにそれらのサービスを享受できておらず、学校や医療や医療施設が不足し、飢餓や栄養失調に苦しんでいるという現状がある。
カリバダムは、その歴史的背景に植民地時代の負の遺産としての側面を持つのだ。
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(写真:Lynn Yeh /Shutterstock.com)