色鮮やかなこれらのドレスには、パキスタンとインドにまたがるパンジャブ地方の伝統的な刺繍であるプルカリが用いられている。写真は、2017年3月にアメリカのフィラデルフィア美術館で開かれた展覧会の様子だ。
プルカリとは、「花の仕事」(phulkari、phu=花、kari=仕事)を意味する。パンジャブ地方で、綿花を手紡ぎ・手織りして作った布を基布とし、主に中国から輸入したシルクで刺繍を施したものだ。ダーニングステッチと呼ばれる、平行な直線縫いを主流とし、その他の縫い方も巧みに用いることで、様々なデザインを実現しているという。
プルカリは、パンジャブ地方の女性たちの、物質的な豊かさを決定する重要な要素となっており、年長の女性から針仕事を習った若い女性が、結婚の際に、持参金として作ることもあったようだ。
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(写真:Regan Vercruysse / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])