笑顔でカメラに応える子供たち。真ん中の子供が持っているのはオランダの製菓会社、トニーズチョコロンリー(Tony’s chocolonely)が作っているチョコレートである。このチョコレートの特徴は製造過程において奴隷労働が一切関わっていないということにある。
チョコレートが作られる過程には児童労働や強制労働、森林破壊など多くの問題が山積している。実際に、原料となるカカオ豆の生産者は深刻な労働環境に置かれており、賃金の安さから生産性が高い土地を求めて熱帯雨林の伐採を進めてしまうという現状もある。
このように、人々が何気なく購入している商品も、その背景には労働問題や環境問題が生じている。消費者がその問題の規模や実態を把握して、エシカルな消費行動に努めるためにも、報道が十分な情報を提供する必要があるのではないだろうか。
環境問題に関する国際報道の実態についてもっと知る→「生物多様性の危機を見逃す国際報道」
チョコレートの裏側についてもっと知る
→「チョコレート:報道されない「ビター」な真実」
→「チョコレートの現実(GNVポッドキャスト53)」
(写真:Tony's Chocolonely/ Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])