大きな目に鋭いくちばし、そして毛の無い頭。不気味なこのマスクは「ハゲワシ(vulture)」を揶揄したものだ。
写真は、2013年の2月に、アルゼンチンを襲った「ハゲワシ」に対して行われた抗議活動の様子。
まさか、本物のハゲワシがアルゼンチンを襲ったわけではない。彼らが抗議を向けるのは「ハゲタカファンド(vulture fund)」と呼ばれる企業たち。
アルゼンチンが債務不履行に陥った2001年。1,000億米ドルを超える債務の再建のため、債権者の90%以上が債務元本の削減(ヘアカット)に同意した。
しかしNMLキャピタルと呼ばれるハゲタカファンドはこれを拒否し、徹底して借金の返済を追求し、その借金返済にアルゼンチンは苦しめられた。
深刻な債務を抱える貧困国の多くを苦しめる、NMLキャピタルのようなハゲタカファンド。そして、莫大な借金の一因となる先進国の存在。この問題の背景には一体何があるのだろうか――。
ハゲタカファンドについてもっと知る→「ハゲタカファンド:弱肉国を襲う強食企業」
(写真:Jubilee Debt Campaign/Flickr[CC BY-NC 2.0])