2023年7月、米国立環境予測センターのデータによると、地球の平均気温は摂氏17.23度にまで達し、少なくとも過去10万年の中での最高気温を記録した。2015年に合意されたパリ協定では、世界の平均気温の上昇を産業革命以前の水準から1.5度以内に抑えるという目標が定められているが、66%の確率で2023年から2027年までの5年間のうち少なくとも1年間においては世界の平均気温が産業革命前より1.5度以上高くなると言われており、この目標の達成はますます厳しくなっていく一方である。
このような現状の中で気候変動問題の実態やその原因と対策について伝える報道は、個人や企業、政府などの社会全体の意識や行動を変えるにあたっても重要な役割を求められる。しかし実際はどれほど気候変動問題について伝えることができているのだろうか。これまでのGNVは多くの問題を指摘してきたが、近年はどうか。そこで今回はGNVが2021年に発信した気候変動に関する報道についての記事での長期的な報道分析を拡大し、最新の気候報道の傾向を追っていく。

発電所の様子(写真:Jorge Royan / Wikimedia Commons [CC BY-SA 3.0])
気候変動の現状と影響
まず、世界で起こっている気候変動問題とその影響について見ていく。気温の上昇や異常気象の増加・激化、海面上昇などの気候変動現象の主な要因となっているのが地球温暖化問題である。その地球温暖化を引き起こす温室効果ガスとして代表的な二酸化炭素(CO2)の排出量は人間の活動により大幅に増加しており現在も減る気配はない。例えば世界のCO2のエネルギー関連での排出量が、2022年に368億トンを超えて過去最高を記録した。
こうして気候変動の結果が世界各地で現れている。2023年には南アジア地域で気候変動が1つの原因となって、「アジア史上最悪」と言われる程の熱波が発生した。この熱波によりバングラデシュの首都ダッカでは過去58年で最も気温が高くなり、気温40度を超える記録的な暑さにより道路のアスファルトの表面が溶けるまでになった。インドでは暑さにより子供たちが頭痛などの体調不良を訴えるケースが続出し、多くの州で学校が閉鎖された。また、タイ西部でも気温44.6度を記録し、国内での観測史上、最高気温となった。
こうした地球温暖化による熱波は南アジア地域のモンスーンを活発化させて大規模な豪雨・洪水被害をもたらした。そのうちの1つが2022年のパキスタンで洪水被害である。この洪水によりパキスタンの国土の3分の1近くが水没し、約1,700もの人命が失われた。さらに洪水により流れ込んだ水が媒介する感染症などにより医療危機が発生した。また2022年に東アフリカでは降水量が減少し、過去40年でも最悪と言われるほどの干ばつが起こった。特に被害の大きいソマリア、ケニア、エチオピアの3カ国では、2022年7月時点で、2,000万人以上が干ばつにより深刻な食料不安に陥った。

2022年のパキスタンの洪水の様子(写真:Kafeel Ahmed / Pexels )
また、こうした地球温暖化の進行により気温だけでなく海洋の温度も上昇している。米国海洋大気庁(NOAA)の2022年度の報告によると同年に世界の海面温度が過去最高を記録している。このような海洋の温暖化により人間の生活に様々な悪影響がもたらされている。まず海上での気象パターンが変化することでより強力な嵐やハリケーン、台風を発生するようになる。また、海水の温度が上がると海中の酸素濃度が減少するため多くの海洋生物が死亡し、漁業が盛んな地域とその経済に大きな打撃を与えることとなる。
そして海洋の温度が上昇すると起こるのが、海氷の融解である。この海氷の融解と気温上昇による陸上の氷の融解が海面上昇にもつながっており、海面の水位も11年連続で過去最高記録を更新し続けていることがNOAAによって2022年に報告されている。
また、2023年2月下旬、南極の海氷面積は1970年代の観測開始以来過去最低となる179万平方キロメートルに達した。これは1年前の2022年2月の観測と比べて13万平方キロメートル少ない数値であり、1年間の間にギリシャの国土面積に匹敵するだけの海氷が減少したということである。このような海氷の急激な現象は南極の生命に甚大な被害を与える。このまま海氷が減少し続けると南極の動植物の65%が絶滅する可能性があり、現在その影響を最も大きく受けているのがペンギンであると言われている。実際に、2022年後半に数千羽の皇帝ペンギンの雛が海氷が溶けて巣に海水が流れ込んだことによる溺死などで命を奪われたと推定されている。
気候変動はこのように自然界の動植物の絶滅の危機をもたらすだけではなく、私たちの健康面にも影響を与えている。まず挙げられるのは暑さによる体調の悪化である。43カ国が対象の最近の研究では暑さによる熱射病などでの死亡の37%が地球温暖化と気候変動に起因すると推定されている。また、2022年の「気候変動と健康に関するランセット・カウントダウン報告書」では、65歳以上の高齢者の暑さが原因での死亡率が過去20年間で68%増加したことが示されている。さらに、多くの慢性的な疾患は暑さに敏感で熱にさらされることにより誘発されたり悪化したりする。心筋梗塞や脳卒中、喘息や腎不全などが暑さによる健康被害として現れる。そしてこういった被害を受けるのは、主に空調設備のない貧困環境で暮らす人々や、外での作業が多い労働者たちである。
他にも、水が媒介する感染症の流行がある。気候変動から起こる洪水や海面水温の上昇は、菌やウイルスなどで汚染された排水を引き起こす。このような水は腸チフスやコレラなどの危険な水系感染症が蔓延する原因となる。さらに水辺で繁殖する蚊が気候変動によりその数を増やすことで、原虫やウイルスを持つ蚊に刺されて感染するマラリアやデング熱が拡大する。また、気温や水温が高まると農産物や魚介類の病原体の数が増える可能性があり、そのような安全でない食品が流通することで、食中毒などの食品による被害も増える。
気候変動への世界の対策
こうした気候変動問題の進行の阻止は地球規模の課題となり、様々なレベルでの対策が必要となる。まず、前提として最も大切なのは気候変動問題の原因を取り除くことであり、企業や個人が温室効果ガスの排出量の削減に取り組まなければならない。しかし、拘束力のある規制のない状態での削減には限界があるため、政策として排出量削減を大規模に進める必要がある。また、現在進行している気候変動の洪水や海面上昇、高気温などの被害に耐えられるインフラ整備などの対策や被害が起こってしまった地域の復興能力も強化しなければならない。こうした課題を解決するにあたって特にCO2を多く排出してきた高所得国の責任や役割が大きい。
そのための国際的な取り組みとして代表的なものが国連による締約国会議(COP)の開催だ。COPとは1992年にブラジルで開催された環境と開発に関する国際連合会議(UNCED)で採択された気候変動枠組条約(UNFCCC)の締結国が集まる国際会議である。毎年1回開催され、参加国が気候変動問題への対策の進捗状況を報告し合い、問題解決のための目標や政策を設定し合意を行う。

2022年のCOP27の開会式の様子(写真:UK Government / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])
そんな中で近年特に世界で注目されているのが2022年のCOP27での気候変動問題における「損失と損害に対する基金」の設立の合意だ。気候変動問題での「損失と損害」とは、気候変動により起こった人命や人々の生活、経済などへの破壊的な被害のことであり、前述のパキスタンの洪水や東アフリカの干ばつなどが例として挙げられる。歴史的に気候変動をもたらす温室効果ガスを排出してきたのが高所得国(※1)であるが「損失と損害」の影響を大きく受けるのは気候変動被害に耐えるための資金源やインフラなどが十分に整っていない低所得国ばかりである。
このように温室効果ガスをあまり排出していないにも関わらず高所得国の行動により低所得国は気候変動問題において大きな被害を受けるという不平等な負担を強いられているのである。こうした、経済力があり気候変動の影響が比較的少ない高所得国と、経済的余裕のなく気候変動の被害を大きく受ける低所得国との間の格差がある状況は「気候アパルトヘイト」と呼ばれることもある。
以上の背景から低所得国の多くは気候変動問題の影響により生まれた損害の補償を高所得国に対して30年以上もの間求めていた。しかし、アメリカや欧州連合(EU)、日本などは基金の創設に対して消極的で、気候変動の影響に脆弱な国々の2015年のパリ協定に損失と損害に関する条文を盛り込もうとした動きや、2021年のCOP26での損失と損害に向けた新たな資金施設または基金の創設の提唱を拒み続けた。2022年のCOP27で設立が合意された損害と損失基金はそのような低所得国からの要求を高所得国が初めて認めた形となり、被害国に対して総額2億3,000万米ドルを超える資金の提供が約束された。

干ばつ被害に晒されるエチオピアの様子(写真:Water Alternatives Photos / Flickr [CC BY-NC 2.0])
このような気候変動による「損失と損害」に対しての補償を行う基金が設立されたが、この基金が上手く機能するためには解決しなければならない課題が存在する。まず、この基金において「誰が、どの国に対して、何を資金源として補償を行うのか」という具体的な部分が未定なことである。気候変動により被害を受けた国への補償には、2030年までに年間300億米ドル以上が必要になることが示されている。このような莫大な規模の基金の活動を行うには新たな資金の調達源を確保することが必至である。
また、公約が存在していたとしてもこの補償の支払いが被災国の復興に十分なだけ行われるかどうかも注意して見ていく必要がある。過去、2009年のCOP15で高所得国が気候変動により被害を受けた低所得国に2020年までに年間100億米ドルの資金を提供するという目標が定められたが、その目標は2020年には達成されず、2023年になっても達成されていない。今回の損失と損害基金がこの100億米ドル支援目標のように達成されない事態にならないように注視しなければならない。
また、この基金は気候変動により損失を被った国への補償の1つであり、そもそもの気候変動の要因を改善しなければ問題の解決にはならない。温室効果ガスの排出量を削減し、地球温暖化の進行を止めなければこの先気候変動による甚大な被害に直面する国は増えていく一方である。将来的にこの基金の必要性が低くなっていくように、我々は気候変動問題の原因に向き合う必要がある。
1980年代からの気候報道に言及する報道の長期分析
ここまで世界での気候変動の現状とその対策について見てきたが、このような問題は日本の報道でどれほど取り上げられてきたのだろうか。今回は気候報道の長期分析を行ったGNVの2021年の記事での調査方法(※2)に従って、大手新聞3紙(朝日新聞・毎日新聞・読売新聞)において、1986年から2022年までの気候変動に言及している記事数を国内国際報道問わずに調べて各年の報道量を集計した。
上記のグラフを見てわかる通り、気候変動に関する各新聞社の報道量は1986年から見て3回、大きく増えるタイミングがある。1度目と2度目の増加は過去の記事において詳しく分析しているため、ここでは簡単に取り扱う。最初に大きく報道量が増加したのは1997年である。この年には第3回国連気候変動枠組条約締約国会議 (COP3)が開催され、京都議定書が採択されている。COP3が日本で開催されたこともメディアの注目を浴びた要因として考えられる。次に気候変動に関する報道が盛り上がったのは2007年頃だ。京都議定書で合意された期間の終了後の議定書更新の有無や更新されない場合の新たな取り組みについての議論が活発化した影響が大きいと思われる。しかし2009年のCOP15で合意が失敗したことを皮切りに報道量は大きく減少している。
3度目に報道量の増加が目立つのが2021年だ。2020年には新型コロナウイルスのパンデミックに注目が集まった影響もあって報道量が少し減少しているが、2021年になって1997年に並ぶほど急激に報道量が増えている。この増加には、2020年のCOP26が新型コロナウイルスのパンデミックにより2021年に延期されて2年ぶりの開催となったことに加えて、この年にアメリカで発足したジョー・バイデン氏の政権の影響が大きいと考えられる。実際に、2021年の読売新聞の気候変動に関する報道のうち28.3%にあたる374記事が気候変動問題に対するバイデン政権の動きについて言及していた。
2019年に正式にアメリカのパリ協定からの脱退を実現させたドナルド・トランプ前大統領とは打って変わって、バイデン政権は2021年1月の成立直後から気候変動問題に対する動きを見せている。まず、大統領就任初日にトランプ前大統領が脱退を決めたパリ協定への復帰のための文書に署名している。そして、4月に気候変動に関するサミットを主宰した。このサミットは気候変動対策の緊急性と経済的利益を強調するものであり、世界の温室効果ガスの排出量とGDPの約80%を占める17カ国が参加した。このようにバイデン大統領就任に伴うアメリカでの気候変動問題に関する動きが活発化したことで、日本のメディアでの気候変動問題への注目度が上昇したと考えられる。
もう1つの原因として考えられるのが、ドイツでの連邦議会総選挙において気候変動問題への対策が重要な議題として注目されたことである。2021年7月に西ヨーロッパを中心に気候変動からの異常気象が一因の大規模な洪水が起こりドイツでは220人が亡くなった。この洪水をきっかけにドイツ含むヨーロッパ全体で気候変動問題についての関心が大きく高まり、ドイツ連邦総選挙に向けて各地で気候変動活動家が集会で気候変動問題への対策を十分に行うことを各政党に求めた。このような動きの影響も受け、11月に生まれた新政権は気候変動への取り組みを重視する姿勢を見せ、オラフ・ショルツ氏が新首相となった。このショルツ政権では気候変動への取り組みを最優先課題の1つとし、再生可能エネルギーへの移行、2030年までの石炭の廃止などを政策として挙げた。日本のメディアではこのようなドイツでの動きに注目し、読売新聞の2021年の気候変動に言及した記事のうち約7%にあたる95記事がドイツでの洪水や総選挙について言及していた。

ドイツで開かれた気候変動問題に対する運動の様子(写真:Stefan Müller / Wikimedia Commons [CC BY 2.0])
以上の内容から、2021年には日本の気候変動報道は欧米での環境問題への関心の高まりが見られるタイミングで増加し、欧米の影響を大きく受けていると考えられる。しかし、その後の2022年にはロシア・ウクライナ戦争の話題に注目が集まり、11月ごろになるとCOPについての報道は見られるもののそれ以外の時期での気候変動に関しての報道量は大きく減少している。
気候変動報道の明暗
ここからは前述した気候変動問題とその対策に対して、2021年以降の日本のメディアによる報道の有無について分析していく。
まず、日本の気候変動報道の特徴としてCOPの開催に非常に注目を集めていることが挙げられる。上記のグラフを見ても分かる通り、2021年と2022年の大手新聞3社での気候変動問題を扱った記事の数(※3)はCOPが開催される11月になると急増している。具体的に見ていくと、2021年から2022年の2年間で気候変動問題に関する記事のうちCOPについて中心に取り扱っている記事の割合は、読売新聞で45.5%、毎日新聞で37.8%、朝日新聞で26.7%と非常に高い数字となっている。
次に、2022年のCOP27で議題の中心となった損失と損害についての話題や損失と損害に対する基金についての報道を見ていく。2022年の報道を分析すると、「損失と損害」について言及している記事の数は朝日新聞と読売新聞でそれぞれ23記事、毎日新聞で20記事であったが、この話題が主要なテーマになった記事は各新聞社で2~3記事と非常に少なかった。そしてその記事の全てがCOP27で話し合われて成立した基金と関連した内容であった。
それに対して、「損失と損害」の事例や実際に起きている被害の内容について触れている記事は多くはない。損失と損害の事例として本記事で取り上げたパキスタンの洪水と東アフリカの干ばつについて言及する記事の数について調べた。2022年の気候変動報道のうちパキスタンの洪水について言及した記事は朝日新聞が17記事、読売新聞が10記事、毎日新聞が19記事だった。また、東アフリカの干ばつについては、朝日新聞が13記事、読売新聞が19記事、毎日新聞が17記事であった。この2つの大きな被害に関する報道量は上記で触れたドイツの洪水に言及する記事数の10%~20%程度しかなく、低所得国より高所得国での出来事の方が記事になりやすいことが現れている。

宇宙から見た台風の様子(写真:NASA Johnson / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0 DEED])
まとめ
今まで気候変動に関する報道について分析してきたが、日本の気候変動報道ではCOPや高所得国における動きや被害へ報道量が集中し、低所得国の受けた被害やそれに対する損害賠償についての記事は非常に少なかった。こうした報道量の偏りから日本の報道には高所得国の政府などのエリートの動きを重視し、低所得国を軽視する傾向があるといえる。また、2021年から2022年の2年間でCO2の排出量の記録的な増加について中心に扱う記事は読売新聞で2記事しかなく、気候変動問題の原因となる温室効果ガスの排出量の現状に目を向け、改善することに対しての注目が非常に少ない。
では、2023年に入ってからの気候報道はどうなのか。2023年8月までの気候変動に関する報道は読売新聞で530記事だった。2021年1~8月の769記事と比べると少ないが、2022年1~8月の451記事よりはわずかに増加している。しかし、気候変動問題が深刻化しているにもかかわらず、15年前に比べ、現在の気候報道の方が報道量は少ない。また、前段落でも述べたように高所得国と低所得国との間の報道量の格差や気候変動の原因に目が向けられていない現状など、日本の気候報道にはまだ課題が多く残っている。
気候変動問題の実態を伝えて国民に問題提起し、個人や企業、政府の意識と行動の改善を促すというのがメディアの役割の1つといえるが、現状では、問題提起をするより、受動的にこれまで気候変動の進行を引き止められてこなかった政府や世界のエリートからの動きを伝えることが中心になっているとも言える。今後の報道がどう変化していくか、注目していきたい。
※1 気候変動問題の要因である温室効果ガスの排出量のうち68.2%を日本やアメリカ、EUなどの高所得国を含む排出量上位10カ国が占めており、その上位10カ国には中国やインド、ブラジルなどの低所得国も含まれるが、国民1人当たりの排出量において高所得国と大きな差がある。
※2 記事を調べるにあたり、朝日新聞のオンラインデータベース「朝日新聞クロスサーチ」、毎日新聞のオンラインデータベース「毎索」、読売新聞のオンラインデータベース「ヨミダス歴史館」を利用した。1986年1月~2022年12月の期間に毎日/朝日/読売新聞の朝刊及び夕刊(全紙面)に掲載された記事のうち、「COP」または「気候変動」または「温暖化」の文言が見出し又は本文に含まれる記事全てについて、記事数を計数する。
※3 記事を調べるにあたり、朝日新聞のオンラインデータベース「朝日新聞クロスサーチ」、毎日新聞のオンラインデータベース「毎索」、読売新聞のオンラインデータベース「ヨミダス歴史館」を利用した。2021年1月~2022年12月の期間に朝日新聞、毎日新聞、読売新聞で朝刊及び夕刊に掲載された記事のうち、「COP」または「気候変動」または「温暖化」の文言が見出しに含まれる記事全てについて、記事数を計数する。
ライター:Mayu Nakata
グラフィック:Mayu Nakata