気温上昇、海面上昇、異常気象など、気候変動という現象は国境と関係なく進行している。しかし、報道機関はこの危機の規模に見合った報道量を割り当てることができていない。また、いまだに国内の問題を中心に捉えているようだ。
このような報道の傾向に対して、2019年に複数の報道機関が自ら「気候報道を今」(Covering Climate Now)という国際運動を立ち上げた。パートナー機関は460にも上る。その取り組みとして年に2回、参加報道機関が気候変動問題について集中的に報道量を増やす「気候報道ウィーク」が実施されている。第5回目のキャンペーン(2021年10月31日〜11月6日)がまもなく始まる。国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の開催に合わせたタイミングとなる。そこで交わされる各国政府の約束が守られるかどうかも定かではないが、報道では政治エリートに関することだけではなく、気候変動の原因とそれによってもたらされる世界中での被害に目を向けることも急務であろう。
GNVはこの運動の当初からパートナー機関として参加しており、今回も独自の記事とポッドキャスト、パートナー機関の記事をGNVが日本語に翻訳したものなどを通じて発信を行う予定である。
GNVの読者・リスナーもぜひ、#気候報道を今 や #CCNow などのハッシュタグを付けた上で、SNSを通じて報道機関による気候報道における改善を求めよう。
写真:太陽光パネルのメンテナンスをする女性、インド(DFID / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])