GNVニュース 2025年8月31日
メキシコ国立統計地理研究所(INEGI)が発表したデータによれば、メキシコにおいて2018年から2024年の6年間で「多次元的貧困」が約26%にあたる1,340万人減少したことが分かった。
メキシコは世界で初めて「多次元的貧困測定」を導入した国である。「多次元の貧困」とは、経済的な側面では捉えることができない「貧困」の形態であり、教育機会や健康状態、社会保障、清潔な水や電気などの生活水準など、様々な形で現れる貧困のことである。
メキシコにおける多次元貧困が減少した背景には、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール前大統領(通称「アムロ(AMLO)」)が推進した福祉政策がある。アムロ政権は、高齢者や農民、若者らを対象とした現金給付を拡大したほか、最低賃金を2018年就任時の4.75米ドルから現在の15米ドルへとおよそ3倍に引き上げられ、世帯収入は15.6%増加し底上げされた。
とはいえ課題も残る。同報告書によれば、特に医療アクセスについては悪化の傾向が顕著であり、適切な医療サービスを受けることができない人々は2018年の2,010万人から2024年には4,400万人以上へ大幅に増加した。また、貧困率の地域格差は依然として深刻で、都市部では25%の2,550万人であるのに対し、農村部人口の45.8%にあたる1,300万人が多次元貧困状態となっている。
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写真:メキシコ、イダルゴ州の家々の様子(Sandstein / Wikimedia Commons [CC-BY-SA-2.0] )




















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