アマゾン条約機構諸国がボゴタ宣言に合意

執筆者 | 2025年08月27日 | GNVニュース, 南アメリカ, 環境

GNVニュース 2025年8月27日

2025年8月22日、アマゾン条約機構(ACTO)は、アマゾンの熱帯林の保護、貧困や不平等に取り組むことを目的としたボゴタ宣言を採択した。この宣言は、2025年11月にブラジルで開催予定の国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)に向けて、ACTO構成国(※1)間で協力するために採択された。

同宣言ではトロピカル・フォレスト・フォーエバー・ファシリティ(TFFF)を支持することが定められている。TFFFとは、熱帯林を破壊するのではなく、保全をすることにより利益が生まれる仕組みの多国間投資基金で、COP30で正式に発足する予定だ。現在、アマゾンの熱帯林は、17%が伐採されており、森林の崩壊を引き起こすとされる基準値の25%に近い。

TFFFには関連する問題がある。2025年8月18日、ブラジル当局は、アマゾン大豆モラトリアムを停止した。これは、2008年以降にアマゾンで森林伐採された地域から大豆を調達しないという協定で、これまで推定17,000平方キロメートルの森林破壊を防いだとされている。しかし、この協定停止によって、多くの熱帯林が伐採されて大豆農園が増加する可能性を指摘する者もいる。TFFFはこうした問題にも対処できるのだろうか。

一方で、ボゴタ宣言は化石燃料に関する言及がないとして批判する声もある。アマゾンは石油や天然ガスの採掘地として近年注目を集めているが、そのほとんどが先住民族の居住地域や、生態系の保護区の中にあるとされている。コロンビアは、化石燃料採掘に頼った経済を脱却することを主張したが、ベネズエラ、エクアドル、ペルーが反対し、宣言では言及されなかった。

ボゴタ宣言は、COP30においてどれほど重要な役割を果たすことができるのか、今後も注目が集まる。

※1 ボリビア、ブラジル、コロンビア、エクアドル、ガイアナ、ペルー、スリナム、ベネズエラの8カ国。

TFFFについてもっと知る→「世界:森林を守る為の新たな基金TFFFとは

アマゾンの森林伐採についてもっと知る→「ブラジル・アマゾン:森林伐採の91%が違法

霧に覆われたコロンビアの熱帯雨林(写真:David Riaño Cortés / Pexels [Pexels License])

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