GNVニュース 2025年12月26日
2025年11月17日、第1回世界子宮頸がん根絶デーに、ガヴィ(Gavi)ワクチン同盟は2025年末までに8,600万人の少女に接種する、という2023年に掲げた目標を早期に達成したことを発表した。ガヴィは、官民が協力して低所得国の予防接種率を向上させることを目的として2000年に設立された。今回の達成では3年間で子宮頸がんによる推定140万人の死亡を防いだとしている。また、2025年末までにガヴィは50か国以上を支援することで世界の子宮頸がん症例の89%を占める国々へのワクチン導入が可能になるとした。
西アフリカではワクチン接種を推進するキャンペーンが多くみられ、リベリア では全土で11月17日から5日間かけてキャンペーンが行われ、これまで接種できていない高年齢層の少女を含む9才から18才の少女を対象として、66万人以上がワクチンの接種を受けた。さらにシエラレオネでも11月中旬に100万人以上が接種を受けた。
子宮頸がんにより世界で毎年約35万人の女性が亡くなっている。ヒトパピローマウイルス(HPV)が主な原因で発症する子宮頸がんは、検診や治療が公平に行き届きにくい低所得国で最も発生しており、サハラ以南アフリカ諸国のほぼ半数では女性のがんの死亡要因の1位を占めている。命を脅かす病気ではあるものの、HPVワクチンで効果的に予防できる。
従来の2回接種が推奨されているHPVワクチンだが、1回の接種で十分な効果が得られるとの研究もある。また、HPVは女性よりも男性の感染率の方が高く、性行為によって感染する。そのため、HPVのワクチンを女性だけでなく男性が接種することが子宮頸がんの根絶に効果的であり、さらにはHPVに関連する肛門がん、陰茎がん、口腔がんなどの発症も防げる可能性がある。
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- 南アフリカの小学校でHPVワクチンの接種をする保健大臣。(写真:GovernmentZA/ Flickr [CC BY-ND 2.0])





















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