GNVニュース 2025年11月26日
2025年11月18日、世界食糧計画(WFP)は2026年の見通しについての報告書を公表した。この中で、2026年は世界でおよそ3億1,800万人が深刻な食糧危機に直面すると推計されている。一方でWFPの資金不足は深刻化しており、深刻な食糧危機にある人々のうち特に援助を必要とする1億1,000万人を支援することを2026年の目標にしている。しかし、そのために必要な130億米ドルのうち、現在の見通しではその半分ほどしか集まらない見込みであることも明らかにしている。
以前から主張されていたように、現在の世界の食糧危機は「かつてないほど悪化」している。2025年は11月までで約140万人が「壊滅的飢餓」(食糧危機のうち最も深刻なレベル)にあると認められた。その大半がスーダンとガザに集中していたが、南スーダン、イエメン、ハイチ、マリなどでも一部で壊滅的飢餓が起きたことが記録されている。
世界中で起こっている食糧危機の原因として、WFPは大きく紛争、気候変動による災害の増加などを挙げている。しかし、これらの原因により発生する食糧危機をさらに悪化させている要因として、資金の減少も忘れてはならない。実際に2025年のWFPの資金は前年比で約40%少ない64億米ドルだったという。対照的に、2024年の1年間における世界での軍事支出は2.7兆米ドルに達したと推計されている。
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2022年にチャドで行われた食糧支援の様子(写真:EU Civil Protection and Humanitarian Aid / Flickr [CC BY 2.0])





















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