GNVニュース 2025年9月20日
2025年9月17日、2024年に少なくとも146人(※)の土地または森林・河川などの環境保護活動家が殺害された、または失踪したことが国際NGOグローバル・ウィットネスによる報告書で明らかになった。これにより、2012年以降の累計で2,254人が死亡または失踪したことになる。
2024年において、こうした事例の82%がラテンアメリカで記録され、国別ではコロンビアで最多の48件、続いてグアマテラで20件、メキシコで19件であった。また、これらの国々の半数以上では、保護活動家の結社の権利や平和的集会が制限されるなど、市民的自由が制約されている状況にある。殺害された、または失踪した146人の約3分の1 は、主にラテンアメリカに住む先住民やアフリカ系の子孫であり、また3分の1は主に小規模農家である。
報告書では、犠牲となった保護活動家の大部分は選択的に保護活動家になったのではなく、自分たちの命や生活が脅かされ保護活動に駆り立てられたと指摘 されている。その背景には、鉱業や採掘、伐採、プランテーションの拡大、道路建設、水力発電ダム建設などによる土地改変がある。これらに反対し殺害・失踪の被害にあった約3分の1 は、違法な土地開発や資源採取を資金源にしている犯罪組織によるものとされている。また、犯罪組織だけでなく警察など政府関連機関による殺害も17件起きており、保護活動家は非致死的な報復の被害にも遭っている。しかし、度々犯罪組織、政府、企業が利害で結託しているため、加害者調査が複雑化しており、処罰されるのは計画者ではなく直接的な殺害の実行犯などに留まっている。
国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)を2025年11月に控え、世界は保護活動家が土地の持続的な管理に重要な役割を持つことを再認識し、国と企業は共に法整備の強化と説明責任の徹底により、土地と環境の保護活動家の権利の尊重・救済を保障するべきであると強く指摘 されている。
(※)殺害が142件、失踪が4件
ラテンアメリカでの環境保護者の殺害についてもっと知る→「ラテンアメリカ:脅かされる環境保護者」

コロンビア北部の露天掘り鉱区パティーヤ・ピット(写真:Hour.poing / Wikimedia Commons[CC BY-SA 3.0])




















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