
これはカンボジアの首都プノンペンにあるバーの様子だ。実はこれはただのバーではなく、カンボジアの外国特派員クラブ(FCC)のバーとして知られている(2025年12月現在は改装中)。
このバーの起源は、1990年代に遡る。1991年にベトナムとカンボジアの間で平和条約が結ばれた後、長年紛争や虐殺にさらされてきたカンボジアの現状を伝えるために多くの国から特派員が派遣された。この中で、特派員が交流し、情報交換できる憩いの場所として1993年にFCCが生まれた。また、FCCは単なる交流のための場所に留まらず、記者会見や写真展示などの場所として、報道の枠を超えた幅広い層の人々が集まる情報の発信拠点としても重要な役割を果たしたという。
ここは今日では外国特派員や報道とのつながりは薄れてきているが、観光地として多くの人が訪れる場所でもあり、現代美術の展示会場などにもなるなどカンボジアの文化的拠点としての機能も果たしている。
かつて特派員たちはこのバーに集まって世界に発信する情報をやり取りしていた。その当時の面影を、このバーは伝え続けている。
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(写真:Travel Aficionado / Flickr [CC BY-NC 2.0])





















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