GNVニュース 2025年8月24日
2025年8月21日に国連が公表した紛争関連の性的暴力に関する年次報告書によると、2024年における紛争地域でのレイプ、強制売春、強制妊娠、強制中絶、強制不妊手術、強制結婚やその他の形態の性暴力が前年と比べて25%増加し、拷問やテロ、政治的弾圧、資源や領土の支配権獲得などの戦略手段として主に武装集団、もしくは政府軍などによる虐待を受けたという。報告によれば中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、ハイチ、ソマリア、南スーダンにおいて特に多くの件数が記録された。被害者の92%は女性と女児であったが、男性や少年も例外ではなかった。また、性的少数者や少数民族、障がいをもつ人など、脆弱な立場に置かれた人々にも被害が確認された。
被害が深刻な地域の1つであるコンゴ民主共和国東部においては、ルワンダが支援する反政府武装勢力M23とコンゴ民主共和国軍(FARDC)、またFARDCが支援する政府系民兵組織ワザレンドが女性への集団強姦をはじめとした民間人に対する人権侵害を犯していることが、多くの証言を基に国際NGOアムネスティ・インターナショナルによって報告されている。さらにヒューマン・ライツ・ウォッチも、性的暴力以外にも虐殺や民間人の殺害が多く報告されていると示唆している。これらの報告は、紛争下で性的暴力をはじめとする暴力が市民を標的として蔓延している現状を浮き彫りにしている。
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女性権利を促進するためのイベントに参加する女性、コンゴ民主共和国(写真: MONUSCO Photos / Wikimedia Commons[CC BY-SA 2.0])





















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