チリ:新反テロ法をマプチェの若者に適用

執筆者 | 2025年12月28日 | GNVニュース, 南アメリカ, 政治, 法・人権

GNVニュース 2025年12月28日

2025年12月19日、チリにおいて新反テロ法が初めて適用された。この法律は2025年2月4日に発効し、テロの詳細な定義を規定するとともに、テロ活動の関係者や組織を支援する者に対してより厳しい刑罰を科すものとなった。今回その対象となったのは少数民族のマプチェ人の2名であった。

彼らは拷問や政治的迫害を受けていると報告されており、テロ捜査の間、最長で5年の間裁判なしで合法的に拘留される可能性に直面している。政府が反テロ法を発動して訴訟を起こすことにより、起訴された側は一般的な犯罪者ではなく「政治犯」として扱われる。これは、マプチェの人々による領土回復や開発事業などに対する抵抗運動そのものを犯罪化しようとする動きと結びついているとも指摘されている。

マプチェとは、チリ中南部からアルゼンチン南部に住むアメリカ先住民族のことを指している。マプチェは長年、チリ政府による抑圧の下、土地を奪われ、権利を侵害され続けてきた歴史を持つ。2025年5月には、チリにおける土地紛争と先住民の権利問題に取り組む特別委員会が、暴力的な衝突を終結させるための勧告を含む報告書を大統領に提出したという背景がある。

 

マプチェについてもっと知る→「抑圧される先住民族:南米のマプチェ

チリの政治についてもっと知る→「『新しいチリ』を目指して

旗を広げるマプチェの人々(写真: Carol Crisosto Cadiz / Wikimedia Commons [CC BY-SA 2.0])

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