
この作品はカトリック教会の長期間にわたる性的虐待スキャンダルを題材にした、ストリート・アーティストとして知られるバンクシーによる風刺的な彫刻である。一見、伝統的なカトリックの聖職者の胸像に見えるが、顔はモザイク状に置き換えられており、ニュース映像で加害者の身元を隠す処理のようになっている。
カトリック教会の性的虐待スキャンダルは、世界各地で数十年にわたり、聖職者が子どもや弱い立場の人々を虐待してきたことに関するものだ。報告が明るみに出ると、教会当局はしばしば告発を隠したり、加害者の司祭を移動させたりして、除名や当局への通報を行わなかったことが明らかになった。虐待の世界的規模と組織的隠蔽のパターンは、世間の怒りと法的対応を引き起こした。
作品名である「カーディナル・シン」(cardinal sin)は本来「重大な罪」という意味だが、バンクシーの作品では「カーディナル」を高位聖職者(枢機卿)という意味にもかけている。つまり「重大な罪」と「高位聖職者が犯した罪」の二重の意味になっており、教会の不祥事を風刺している。
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