2021年8月、ネパール警察の反人身売買局は25人もの女性を国外に人身売買した容疑で、最重要指名手配犯のサビトリデビ・マラハ容疑者を逮捕した。しかし、これは氷山の一角に過ぎない。人身売買は世界各国で行われているが、ネパールは「最も収益性の高い人身売買ビジネス市場」の一つとされており、日々人身売買が行われている。2020年以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、その被害はますます拡大している。ではなぜネパールで人身売買が横行しているのか。本記事では、その背景や解決に向けた取り組みについて見ていく。
人身売買とは
人身売買は重大な犯罪であり、最悪の人権侵害の1つである。国際連合児童基金(UNICEF)によると、「弱い立場にある人々を搾取する目的で、強制的な手段や暴力、脅迫、誘拐、詐欺行為を用いて又は脆弱な立場に乗じて、人を獲得・輸送・受け渡ししたり、労働を強いたり、奴隷化したりすること」と定義されている。つまり人身売買とは、人間をまるでモノかのように扱い「売買」するのはもちろんのこと、その後、売買した人々を奴隷化することも含まれている(※1)。人身売買をはじめとする奴隷制度は世界人権宣言を含む様々な規約で深刻な人権侵害と認定されている。
搾取の方法は様々である。工場作業や漁業、建設業などに従事させる強制労働や、家事を強制的に手伝わせる家庭内労働、また子ども兵士や臓器提供、強制結婚など枚挙にいとまがない。その中で最も被害が多いのが性的搾取である。
性的搾取とは、売春、ポルノ、ストリッピングなどを強制することであり、その主な被害者は少女や成人女性である。搾取の方法を問わず摘発される人身売買はごく一部のため、不透明な部分が多く、実態を正確に把握することは難しいが、国連薬物犯罪事務所(UNODC)によると、人身売買のうち性的搾取を目的としたものは50%とも言われている。性的搾取は本人の意思に反する重大な人権侵害であることに加え、買主や売春宿の客から暴行を受けたり、不衛生な環境で性行為を行うことによる性感染症の罹患、望まない妊娠などの可能性も非常に高い。また身体だけでなく、鬱および心的外傷後ストレス障害などの精神障害を発症する危険性もある。
なぜこのように世界各国で人身売買が行われているのだろうか。その主な原因は極度の貧困である。貧困地域では非雇用率が非常に高く、収入が極めて少なく不安定な状況に置かれている人々が多く存在する。人身売買業者、いわゆる「ブローカー」はそのような地域を狙い、生活困窮者に「いい仕事を紹介する」「都会に行けば生活が楽になる」などと声をかけるのである。他にも借金返済の代わりに売られ債務奴隷となるケースもある。また、貧困で生活が立ち行かなくなった家庭などは、我が子には今よりもっと良い生活をしてほしいと、親があえて子どもを送り出すケースもある。その多くは、それが人身売買だと気づかないまま被害に遭っているケースがほとんどだ。しかし中には人身売買だと分かっていながら、生活費を得るためにやむを得ず子どもを売る家庭も存在する。
こうした「人身売買ビジネス」はグローバル化とともに加速し、今ではその多くが国境を越えて行われている。人身売買は麻薬と武器の密売に続き3番目に収益性の高い犯罪活動とも言われており、年間1,500億米ドルもの取引がされている。人身売買は高所得国・低所得国問わず行われているが、その中でもネパールは「最も収益性の高い市場」の一つと言われている。
ネパールを襲う人身売買の「魔の手」
ネパールはインドと中国に隣接する南アジアの小さな国であり、人口2,970万人が暮らしている。ヒマラヤ山脈の中心部に位置し、8,000メートルを超える高峰がいくつも存在する山岳国である。首都カトマンズでは約140万人が生活しているが、それ以外のほとんどの人々は山村で暮らしている。主要産業は国内総生産(GDP)の34%を占める農業で、人口の68%が農業に従事しているとも言われている。
またネパール国外で働く出稼ぎ労働者も多く、2019年の時点で人口の約14%にあたる約350万人が就労のため国外で働いている。また同年には、ネパールの全世帯のうち約50%が、家族の中で少なくとも1人が出稼ぎ労働者として働いている、または過去に出稼ぎを経験していたというデータもある。さらに、ネパール経済はそういった出稼ぎ労働者などからの送金に大きく依存しており、2020年の国外送金受取額はGDPの約24%にあたる約81億米ドルであった。
ネパールは深刻な貧困問題を抱えている。衣食住など最低限の生活が保証されるかどうかを示す「エシカル(倫理的な)貧困ライン」(1日7.4 米ドル)(※2)以下で生活する人の割合は人口の83%とされている。つまり、ネパールの大多数の国民が最低限度の生活を送れていないということになる。また保健・教育・所得の3つの側面から、各国の発展レベルを測る指標である人間開発指数の世界ランキングにおいて、ネパールの順位は2020年の時点で189ヵ国中142位と非常に低い。
前述の通り、ネパールでは人身売買が横行している。ネパール国家人権委員会の報告によると2018年の人身売買被害者は報告されているだけで約3万5,000人に上った。被害者の輸送先はネパール国内や、インド、マレーシア、中東諸国などのアジア、ケニアなどのサハラ以南アフリカなど多岐にわたっている。ネパールにおける人身売買の主な目的には性的搾取、強制労働、臓器提供などがある。
世界的な傾向と同様に、ネパールで最も被害が多いのは性的搾取であり、人身売買被害者の約70%が少女または成人女性とされている。前述の2018年の人身売買被害者約3万5,000人のうち、確認できただけで約2万人が女性だったという。しかし、これはごく一部に過ぎず正確な人数は把握できていないため、実際にはそれ以上の被害者がいるとされている。特にネパールからインドに輸送されるケースが多いとされ、毎日54人の少女・成人女性がインドに売られているというデータもある。
ネパール国内、国外問わず売春宿に売られた女性たちは一日数十人の客の相手をさせられることもあるという。HIVなどの性病感染への罹患数も多く、店主や客の要求を拒否すれば激しい暴行が加えられるような売春宿も存在する。また売春宿の多くがマフィアなどの暴力団と結託していて絶えず監視されているため逃げることも極めて困難である。また売春宿の買主が借金を肩代わりしている場合もあり、その完済のためにいわば債務奴隷として働かされる少女たちは、逃げたくても逃げられないという事情もある。今なお多くのネパール人女性は売春宿の劣悪な環境下に置かれているのだ。また被害者は女性だけではない。被害者の約30%にあたる少年・成人男性もまた、性的搾取や児童性虐待などの被害に遭っているということを忘れてはならない。
またネパール国内においては家庭内労働や強制労働の被害も多い。強制労働の例として、工場労働、鉱山労働、レンガ窯や刺繍繊維産業での労働などが挙げられる。
なぜネパールで人身売買が起こるのか
ネパールでこれほどまでに人身売買の被害が拡大しているのはなぜなのか。内部要因として前述の極度の貧困がある。カースト制度(※3)などの慣習も格差を生む要因だろう。しかし追い打ちをかけたのは、2015年に発生したネパール地震である。マグニチュード7.8の地震が発生し、およそ9,000人が死亡、560万人が被災した。この地震はただでさえ脆弱なインフラに深刻な影響を与え、貧困はさらに拡大した。実際、ネパール・インド間の国境付近で救出されたネパール人の人身売買被害者数は、地震前の2014年は33人だったのに対し、地震後の2015年には336人に急増し、2016年には501人、2017年には607人と増え続けている。
もう一つの内部要因は女性の立場の脆弱性である。ネパールでは、男性は優先的に教育、仕事または様々な分野での訓練が受けられる一方、女性の社会的地位は非常に低い傾向にある。ネパール憲法には同一労働同一賃金など女性を保護する規定はなく、差別や暴力が依然として残っている。ダウリー(結婚持参金)制度(※4)や家父長制などの慣習が根強く残っており、これらも男女差別を助長していると言えるだろう。そのため、多くの女性は安定した職に就くことができないのが現状である。このような状況下にあるネパールの女性は、そこから逃れ仕事を得たいと願い、それ故ブローカーに騙されてしまうのである。
また、売春宿から救出された女性の40%が、リハビリテーションなど社会復帰への支援を受けられず、さらに家族や地域社会から敬遠されて、再び売春に戻ることを余儀なくされるという悲しい現実もある。さらに、性的人身売買された女性から生まれた子供は、児童虐待・暴力の犠牲者になる可能性が高いとも言われており、ネパールの成人女性・少女はこの悪循環からなかなか抜け出すことができない。
続いて外部要因を見てみよう。まず挙げられるのは人身売買の「市場」において付与される「価値」、すなわち「価格」の安さだろう。世界中の人身売買被害者がどれほどの値で取引されているのか、その正確な金額は不明で、国籍や年齢によっても変わるとされるが、世界的な平均取引価格は90米ドルだとする研究者もいる。90米ドルでも低価格だが、ネパールでは過去にわずか4米ドルで取引された事案がある。この価格の安さこそが、ネパール人がターゲットとされる所以だろう。
またネパール人が、とりわけインドに人身売買される理由として、ネパール・インド間の格差がある。この格差は、ネパール人の「価格」が安い要因の一つとも言えよう。2019年のネパールの一人あたりGDPが1,194米ドルなのに対し、インドは2,100 米ドルであり、その差は歴然である。またネパールは経済的に大きくインドに依存している。2018-19年の経済調査によると、インドはネパールの総貿易量の64%を占めており、石油供給に至ってはほぼ100%インドに依存している。またネパールの通貨であるネパール・ルピーの為替はインド・ルピーに固定されている。さらに、人身売買としてではなく単に職を求めてインドに渡る人々は年間52万人以上に上るというデータもある。このように、ネパールはインドなくしては経済が成り立たないと言っても過言ではない。この格差や依存がなくならない以上、職を得ることを期待してブローカーに身を預ける人は今後も後を絶たないだろう。
さらに、ネパール・インド間で施行されている国境開放政策の存在も、ネパール・インド間が最も頻繁に使用される人身売買ルートの1つとなっている要因であろう。国境開放とは、ネパール、インド両国民がビザやパスポートを用いることなく国境を通過できるようにするものであり、このような状態にある国境のことをオープン・ボーダーと呼ぶ。出入国手続きを行うも必要もなく、自由に行き来することが可能だ。1950年に両国が締結した平和友好条約において、両国民が平等な権利を付与する目的で定められた。この国境開放政策のおかげで両国民はどちらの国でも財産所有、就労、生活が可能になる一方で、人身売買をはじめ麻薬や武器の密輸の温床にもなり、テロ犯の侵入も許してしまうことになる現実がある。
また人身売買されたネパール人の行き先はなにもインドだけではない。しかし、どの国へ輸送される場合でもインドを一度経由することが多い。それはなぜか。原因はネパール独自の規制にある。ネパールでは、女性の国外就労に対して厳しい規制を設けている。40歳未満の女性が湾岸諸国やアフリカ諸国に就労するには、保護者と地方政府からの許可がなければならない、などの制限がこれにあたる。これらの規制がある以上、ネパールから直接他国に女性を人身売買することは困難である。その抜け道として、国境開放政策によりこの規制対象となっていないインドが利用されるのである。
他にも、ネパール人がとりわけインドに人身売買される理由の一つにインドでの需要がある。インド国内で特に顕著なのは性的需要と臓器需要である。インドの売春宿におけるネパール人女性の需要は高いと言われており、その要因の一つにネパール人女性へのステレオタイプがある。インドの売春宿では、ネパール人女性の肌の色などに関するステレオタイプが広まり、それが需要の拡大に寄与していると考えられる。実際、ネパールの先住民族であるタマン人を指して、売春宿で「非常によく売れる商品」などと差別的な表現をされることもある。
一方、臓器の需要もインド特有のものである。生体腎移植がアメリカに次ぐ世界2位の規模で実施されているインドでは、臓器、特に腎臓の需要が著しく、約22万人が腎臓移植を必要としていると推定されている。そのため、臓器提供目的の人身売買も目立つ。このように、ネパールの内部要因、インドの背景など様々な要因が重なり、ネパール人が人身売買の餌食となっているのである。
解決に向けた取り組みと課題
このような人身売買問題に対して、解決に向けた動きはあるのだろうか。まずはネパール政府の取り組みについて見ていこう。政府は解決に向けて様々な条約締結を行ってきた。ネパールは、1991年に批准した女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(CEDAW)をはじめ、女性の権利と健康に関する11の異なる条約に署名・批准している。条約だけにとどまらず、法律の制定も行っている。国内および国際NGO団体からの圧力を受けて2007年には人身売買および輸送管理法(HTTCA)を制定し、人身売買を「犯罪」として認定、さらにネパール政府が被害者のためのリハビリテーションセンターや基金を設立することを定めた。実際、現在では首都カトマンズやジャパ、チトワンなどの地区にリハビリテーションセンターが建てられている。
しかし、残念なことに条約や法律の効果は薄い。そこには3つの要因が考えられる。まず1つ目に拘束力が低いことが挙げられる。例えば、HTTCAにおける犯罪の定義は限定的である。国内および国境を越えた人の「売買」や奴隷制は禁止しているが、強制労働を目的とした人の収容や輸送までは禁止していないといった具合である。冒頭で紹介したUNICEFの定義とも大きく異なっている。法制度がまだまだ不十分なために拘束力が弱まっているのである。
2つ目の要因として、摘発が追い付かないことが挙げられる。その背景には件数が多すぎる、警察が捜査に使える予算や時間に限りがある、人身売買摘発の訓練を受けた捜査官が不足しているなど複数の体制上の問題がある。人員の問題はかなり深刻であり、ネパール警察はネパール・インド国境で検問を行っているが、約1,770キロメートルある国境全体を毎日パトロールすることは到底できないという。また2020年以降、新型コロナウイルス感染拡大に起因するロックダウンの影響で裁判所が3か月閉鎖したり、移動制限により被害者の声明と証言が入手しにくくなったりしたことで、摘発はさらに遅れている。またブローカーは世界中に広いネットワークを持っており、インターネットを使用して高速で取引を行うため追跡がしにくく、特定が難しいという事情もある。技術の進歩とともに売買や輸送方法が多様化しており、発見を難しくしている要因となっている。
さらに3つ目の要因として、被害者がその被害を訴えないというものがある。女性が性的暴行を受けても泣き寝入りするケースが多いのだ。その理由として、ネパールの家父長制社会において広く浸透している根深い信念や文化的慣習がある。性的人身売買の被害届を出すことを恥と捉え、公にすることを拒む被害者家族が多いのだという。またブローカーにより口止めされている場合もある。ブローカーが被害者家族に口止め料として賄賂を渡し、貧しい家庭ではその賄賂を受け取ってしまうことがあるのだ。さらに、被害者が被害を訴えない要因として人身売買に関する知識不足も挙げられる。特に農村部を中心に教育が行き届いていないことが知識不足を招き、また人口の35%しかインターネットへアクセスできないため情報収集もままならない。それゆえ、訴える権利を有していることすら知らない人が多いのである。また政府は、啓発キャンペーンなどを実施しているもののその効果は薄く、一部の政府関係者や警察でさえHTTCAなどの法律の存在を知らないほどだ。
このように、ネパールでは摘発の動きが鈍く、そのせいで人身売買がさらに加速するという悪循環が起きている。ネパール政府は人身売買撲滅に向けた取り組みを行ってはいるものの、それらはまだ不十分であり今後もより一層の努力が必要になるだろう。
一方で、人身売買問題に熱心に取り組むNGO団体も存在する。例えば、マイティ・ネパール(Maiti Nepal)は独自に国境付近で検問を行い毎年1,000から3,000人もの女性・少女の人身売買を阻止してきた。また被害者の保護や法的支援、職業訓練、識字教育なども行っている。他にもレスキュー・ファウンデーション(Rescue Foundation)のように、国境を越えて世界中の人身売買問題に取り組む団体は数多くあり、被害者の救助・支援活動を実施している。これらのNGO団体の協力もあり、毎年1,000人近くの被害者がインドから救出されている。しかし、1日に何万人もの人々がネパール・インド間の国境を通過すると言われている中、その全てを発見し救出することはなかなか難しいのが現状である。
いまだ見えぬ糸口
ここまで、ネパールの人身売買問題の背景について見てきた。解決のためにまず求められるのは、政府・警察の制度上の改革だろう。先に指摘した通り、現状では摘発が追い付いておらず、それゆえネパールは人身売買の温床となっている。この悪循環が解決を阻んでいる要因である。被害者の救出やリハビリテーションなどももちろん重要であり、これからさらに取り組んでいかねばならないが、同時に政府・警察の体制が改善されない限り、人身売買を根絶することは不可能であろう。
一方で、近年ではネパール人女性の国外就労に対する制限撤廃の動きもある。国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)は、同規制は差別的で女性の国外進出を阻害するとして、2018年からその撤廃を求めている。しかし、このような制限が無くなれば人身売買は減るのだろうか。女性の積極的な国外進出につながる可能性がある一方で、インドを経由しない人身売買を促進する恐れもある。解決は一筋縄ではいかないだろう。
そして何より、ネパールの人身売買問題を根本的に解決するためには、貧困や格差の解決が必要不可欠である。しかしネパールでは不十分なインフラ整備に加え、カースト制度や家父長制などの歴史的・文化的慣習がまだまだ根強く残っている。また他国との圧倒的な国力差やアンフェアトレードなどの問題もある。この他にも様々な要素が実に複雑に絡み合っているため、その解決は決して容易ではないのが現状だ。
このように、ネパールの深刻な人身売買問題を解決する糸口はいまだ見えていない。NGO団体なども被害者の救出や支援で手一杯だ。この問題にいつか光が差す日は来るのだろうか。今を生きる同じ人間として、その動向を常に見守っていきたい。
※1 〈おことわり〉本来、人に対して「売買する」「売られる」などの表現は適切ではない。そのため括弧を付けて記載するべきであるが、本記事では上記のような表現を多用しているため、読みやすさの観点から、以降該当する全ての表現については括弧を付けずに表記するものとする。
※2 GNVでは世界銀行が定める極度の貧困ライン(1日1.9米ドル)ではなく、エシカル(倫理的)な貧困ライン(1日7.4米ドル)を採用している。詳しくはGNVの記事「世界の貧困状況をどう読み解くのか?」参照。
※3 南アジアの身分制度。ヒンドゥー教徒をバラモン、クシャトリア、ヴァイシャ、シュードラの4つの階級に分け、その階級に基づいて職業や結婚相手などが決められる。現在ネパール憲法は、カーストに基づく差別を禁止しているが、こうした差別は根強く残っている。
※4 結婚時に、花嫁の家族から花婿及び花婿の家族に対して持参金を支払う制度。インドをはじめとする南アジア諸国でよく見られる。ダウリーの支払いができない場合、女性は暴行を加えられたり、最悪の場合殺害される場合もある。ネパールでは法律で禁止されているが、施行が不十分なため、悪しき慣習が続いている。
ライター:Kyoka Maeda
グラフィック:Yumi Ariyoshi
人身売買が現在でもこんなに大規模に行われていることに衝撃を受けました。その背景には、単なる制度上の問題だけではなく、文化的な差別や貧困に関する問題も多く存在していて、多方面から問題解決に取り組むことが必要であることがわかりました。
自分とは遠い話だと思ってしまいがちですが、自分が使っている製品の向こう側には「売られて」働かざるを得ない人がいるかもしれない、という意識を忘れないようにしたいと思います。
まさに今この瞬間でさえも、自分と同じような年齢の人がどこかで売買されているのかと思うと、ちょっと言葉が出ない。
このような問題があることはもちろん知ってはいたが、どこか他人事というか、絵空事のように思っていた。恵まれた環境で育ち生きてきた自分にとって、この記事はとても衝撃的だった。人間が「モノ」のように扱われることに心底恐ろしさを感じた。また同時にもっともっとこの問題について報道されるべきだとも感じた。何が出来るわけではないが、とにかく「知る」ことがとても大切だと思った。
とても低い金額で人身売買されている事実を知り、衝撃を受けました。この事実がもっと世界に知られ、改善されることを願います。
日本で生まれ育った自分にはちょっと信じられないくらい、あまりにも辛い記事であった。同じ世界の同じ人間なのに、生まれ落ちた国の違いや環境により簡単に犯罪に巻き込まれ、人権などまるでない奴隷となってしまう。またそのことに自身で気付かないまま生涯を終えるのだ。そんなことは決して許されない。このような犯罪を一刻も早くなくすためにはどうすればいいのか、答えは簡単ではないだろうが、決して他人事だと知らんぷりして生きていくような社会であってはならないとこの記事を読み感じた。
読んでいてとても心が痛く苦しくなった。
ネパールだけでなく世界中で人身売買が行われているという。日本でももしかしたらあるのかもしれない。
何事も需要と供給だ。求める人がいるなら今後も人身売買はなくならないだろう。同じ人間としてただただ悲しい。
人身売買!小説の中だけの犯罪だと思っていたが、今現在も世界中で当たり前のように横行しているとは驚いた。それだけ報道されていないということなのだろう。我々は報道からでしか海外の情報を得る手段がない。重大な犯罪は国を跨いで行われているのだから、世界で共有してこそ解決に繋げられるのではないだろうか。
自分という存在が軽視され他国に売られていき、ひどい扱いを受ける。貧困が生んだ最大の悲劇である。もっともっと多くの人がこの事を「知る」ことが大切だと思うし、それが解決への第一歩になると思う。
ネパール人の就学生アルバイトが働きにきてますが、
非常にレベルの低い人が多いです。
就学生なのだから、もう少し仕事の理解があっても良い
と思いますが、1度教えて、2〜3日経って同じ仕事を
させるとすでにすっかり仕事の手順を忘れています。
仕事の精度と言ってよいのかどうかわかりませんが、
仕事の正確さがぜんぜん足りません。
少し作業をすると、すぐ休憩したがる。
作業に文句が多く、正確に配置しない。
何をさせても雑。
こんな風に適当にしか仕事をしない人たちは、
適当な低い境遇に置かれても仕方がないだろうと
思います。