GNVニュース 2026年1月2日
2025年12月24日、アルジェリア議会においてフランスの植民地支配を犯罪だと認める法案が満場一致で成立した。この法律で犯罪にあたるとされた行為には、1830年から1962年まで続いた植民地時代のアルジェリアで行われた恣意的殺人、身体的・心理的拷問、組織的な資源の略奪、そして核実験などが含まれる。加えてこの法律には植民地支配の美化を違法化することも盛り込まれるという。アルジェリア議会はまた、フランスに対して植民地支配の行為に対しての責任追及と謝罪、補償を求めている。この法律に国際法上の法的拘束力はないが、政治的な影響力は大きいと考えられている。
ここで、今回のアルジェリアの動きはフランスとの外交関係の悪化に関連すると指摘されている。そのきっかけは2024年7月にフランス政府が西サハラに対するモロッコの主権を認めたことだという。アルジェリアは西サハラの一部を支配しているポリサリオ戦線を支援しており、西サハラの独立を支持してきた。この出来事以降アルジェリアとフランスの関係は急激に悪化しており、外交官の追放などの応酬が続いていた。加えてフランスに住むアルジェリア系移民に対する差別や、フランスでの植民地支配を肯定的に捉える風潮の高まりなどもアルジェリアの不満の要因になったと考えられている。
また、他の要因としてアルジェリアの経済的自立が関係しているという分析もなされている。アルジェリアは過去20年で貿易関係を多様化させており、特に中国やロシア、トルコ、カタールなどとの経済的関係を強化している。これによりフランスへの経済的依存が弱まったことがこの法律の成立につながったという見方がある。加えて、2019年に行われた大規模な抗議活動に続くアルジェリアの政権交代により政権が国民からの支持をより重視するようになった可能性も指摘されている。
この法律の成立は、アルジェリアに住む人々からは概ね好意的に受け取られている一方で、フランス政府はこの動きを敵対的で対話を阻害するものだとして非難している。
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アルジェリアの議会の様子(写真:Magharebia / Flickr [CC BY 2.0])




















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