GNVニュース 2026年01月18日
スタートして間もない2026年、世界の上位1%の富裕層は1月10日までのわずか 10日間で、二酸化炭素(CO2)の1年分の排出割当量を使い果たしてしまった。国際NGO「オックスファム」が最新の分析で明らかにした。割当量は「炭素予算」とも呼ばれ、産業革命前からの気温上昇を1.5度以内に抑えるために許容されるCO2排出量の上限である。1年の残り300日以上、富裕層が日々排出するCO2は国際合意した数値目標を脅かし、大多数の人々の生活に深刻な影響を及ぼす計算になる。
地球の気温上昇はCO2の排出量にほぼ比例する。オックスファムによると、1.5度の数値目標に相当する2030年のCO2量を計算し、同年の推定人口85億人で均等に割ると、1人当たりの割当量が出てくる。上位0.1%の超富裕層にいたっては既に1月3日までの3日間で年間の炭素予算を使い切っていた。
富裕層のCO2排出量が多くなるのは、プライベートジェット機を使うなどの生活様式に加え、排出量が著しく多い産業に投資していることが大きな要因に挙げられる。
その結果、さまざまな環境破壊が引き起こされている。オックスファムは 、上位1%の富裕層が1年間に排出する温室効果ガスが今世紀末までに約130万人の熱中症関連死を招き、上位1%による40年間の過剰な排出が低・中低所得国の農業などに44兆米ドルの経済的損失を与えると警告する。2025年の研究では、上位1%の富裕層1人当たりの環境悪化への影響(寄与度)が、100年に一度の熱波で平均的な人の26倍、アマゾンの干ばつでは17倍にのぼった。気候危機の解決は経済的格差、不平等の解消と不可分であることがわかる。
だが、その格差、不平等が正しく認識されていない可能性がある。国際研究チームがデンマーク、インド、ナイジェリア、アメリカの4千人を対象に調査したところ、出身国に関係なく、上位10%のCO2排出量を実際よりも過小に評価していた。一方で下位50%の排出量は実際よりも過大に見積もっていた。
2026年1月19日から23日まで、「世界経済フォーラム」(ダボス会議)が開かれる。ほとんどの出席者が政府幹部や企業トップの富裕層である。プライベートジェット機で駆けつける人も少なくないという。彼らもすでにCO2の割当量を使い切ってしまっているかもしれない。地球温暖化、格差の問題でどのような議論が交わされるだろうか。
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プライベートジェット、サンバレー空港、アメリカ(写真:Thomas Hawk / Flickr [CC BY-NC 2.0] )





















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