ボツワナ:ダイヤモンドの在庫過多により生産縮小

執筆者 | 2026年01月23日 | GNVニュース, サハラ以南アフリカ, 農業・天然資源

GNVニュース 2026年1月23日

2026年1月20日、ボツワナ財務省は、ボツワナのダイヤモンド原石の供給過多により、採掘などの事業の縮小や中断が続いていると発表した。ボツワナはロシアに次いで世界で2番目にダイヤモンド原石を採掘している国であり、2024年の1年間では3,600キログラムのダイヤモンドを生産していた。その一方で、2025年12月末のダイヤモンドの在庫は許容量1,300キログラムの2倍近い2,400キログラムだったという。ボツワナの宝石関連産業はこの国の国内総生産(GDP)のおよそ3分の1を占めており、その活動の停滞による経済への悪影響が懸念されている。

この供給過多の背景にはダイヤモンドの価格下落が挙げられるが、その原因としては世界的な天然ダイヤモンドへの需要減少が指摘されている。ダイヤモンドの主要な供給先であるアメリカと中国ではより安価な人工ダイヤモンドに人気が集まっており、高価な天然ダイヤモンドへの需要が減退している。加えて、インドなど他の市場ではアメリカから高額な関税を課せられた影響で購買力が低下しているという事情もある。

なお、ボツワナではダイヤモンドの採掘において、アングロ・アメリカン傘下のデビアスグループとボツワナ政府の共同出資による合弁会社デブスワナが支配的な影響力を有している。ボツワナ政府はデブスワナの株式を50%、そしてデビアスの株式を15%保有しているが、経済の多角化やボツワナへの利益分配の増加、国内での加工施設の整備などを目的としてデビアスの買収を目指す動きもある。また今回のボツワナの在庫問題はより長期的には安価な人工ダイヤモンドの台頭に起因するものであるが、この点についてデビアスの親会社アングロ・アメリカンは経営改革の一環としてより利益率の高い銅や鉄に集中するためにデビアスグループを手放す姿勢も見せている。そのため、現在の状況はボツワナとデビアスの今後の関係にも影響する可能性がある。

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ダイヤモンドの露天採掘が行われているボツワナのジュワネング鉱山(写真:GRID-Arendal / Flickr [CC BY-NC-SA 2.0])

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