GNVニュース 2026年1月26日
2026年1月20日、国連大学は報告書「世界的な水の破産:ポスト危機の時代における水文学的な身の丈を超えた暮らし」を発表した。
これまで人類が地球上の水資源を過剰に利用していることを警告する言葉として、水ストレスや水危機という単語が用いられていたが、これは水の回復可能性を内包している。しかし、今日の多くの社会では、比較的短いスパンで循環する河川や積雪からの水資源「収入」を再生速度以上で利用し、さらにそれだけでは足りず長い年月をかけてできた氷河や地下水、湿原といった「貯蓄」までも使い果たしている。これにより地層が潰れ水を溜められなくなったり、自然の調節機能が失われ、水資源が恒久的かつ不可逆的に劣化している。そのため金融用語に準えて「水の破産」(※)という言葉が用いられることとなった。
実際、約30億の人々と、世界の食料生産の半分以上が、すでに総貯水量の減少傾向に直面している、あるいは将来直面すると予測される地域に位置している。調査機関「ウォーターシェッド・インベスティゲーションズ」とガーディアン紙による分析によれば、世界を代表する巨大都市100選のうち半数において、公共水道や産業界による取水量が、利用可能な供給量を超える可能性が高い。特に北京、デリー、ロサンゼルス、リオデジャネイロなど38都市はこのリスクが極めて高い。アメリカ航空宇宙局(NASA)の衛星データによれば、テヘランやチェンナイなどでは急激な乾燥化が進み、市民への水の供給が断絶する「デイ・ゼロ」が現実味を帯びている。東京のように湿潤化が進む都市もある一方、これらの都市に住む人口の約11倍が、長期的な強い乾燥化が進む地域に住んでいる。
水の破産は、淡水利用の大部分を占めている農業を通して世界の市場、政治的安定、食料安全保障へと波及する。さらに水は生命の根幹であり国家間、国内の結束の基盤となる他、気候、生物多様性、砂漠化の基盤でもある。そのため、世界全体で残った水をどのように公正に賢く分かち合うか、「破産管理」としての対応をすべきとされている。
※より正確には、学術誌「水資源管理」に掲載された学術論文に基づき、①再生可能な流入量や安全な枯渇レベルを超えた、地表水および地下水の持続的な過剰汲み上げ。②その結果生じる不可逆的または回復に法外な費用がかかる水関連の自然資本の喪失、を指す。
世界の水資源を巡る争いについてもっと知る→「世界の水紛争:報道されていない事実」
アフリカにおける水資源争いについてもっと知る→「譲れないナイル川」

ミャンマーのひび割れた乾燥地(写真:Pyae Phyo Aung / Pexels [Pexels License])




















0 コメント