gnvニュース 2026年2月1日
2026年1月26日、エクアドルの大統領であるダニエル・ノボア氏は国内の犯罪組織に対する大規模な安全保障計画を発表した。この中には、軍への投資や金の違法採掘への対策、刑事捜査における最先端技術の導入、移民管理、刑務所の拡大、緊急対応サービスの強化などが含まれている。
同国の治安状況は近年著しく悪化しており、麻薬がその一因といえる。エクアドルは世界最大のコカインの輸出国である。コカインの大半は隣国のペルーとコロンビアで生産されエクアドルの港を通り世界中へ密輸される。そしてエクアドル国内では麻薬関連の犯罪組織の台頭と治安悪化や腐敗、犯罪組織関連の暴力の急増が問題となっている。2025年にはエクアドルでの故意による殺人は同国史上最も多い9,216件を記録した。
国内のこうした状況に対し、政府の大きな動きが2024年1月に起こった。エクアドルでは麻薬関連の犯罪組織、ロス・チョネロスのリーダーが脱獄したことを発端にノボア大統領は「内部武力紛争」を宣言した。これにより、国内の22の武力犯罪組織を「テロ組織」と認定し、軍が犯罪組織に対して積極的な武力の行使ができるようになった。この宣言は2年が経った2026年1月現在も続いている。しかし一方エクアドル憲法裁判所は、武力紛争の存在基準を満たしていないとして、この宣言を複数回にわたって認めていない。
麻薬犯罪組織に対抗する姿勢をみせる政府であるものの、矛盾点が浮き彫りになっている。ノボア大統領の家族の経営するバナナ生産・輸出会社が、数年間で度々ヨーロッパ向けのバナナのコンテナにコカインを搭載し密輸していたことが明らかになっている。また、麻薬密輸の拠点である港湾で犯罪に対処する、重要な部門であるはずの港湾・空港情報警察への投資額の少なさや、国内のマネーロンダリングについても問題視されている。
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犯罪組織に対抗する軍を展開を命じるノボア大統領(2024年)(写真:Presidencia de la República del Ecuador / Flickr [PDM 1.0])





















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