腐敗認識指数の世界平均が過去10年で最低

執筆者 | 2026年02月13日 | GNVニュース, 世界, 法・人権

GNVニュース 2026年2月13日

2026年2月10日、ドイツに拠点を置く非政府組織トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)は腐敗認識指数に関する2025年版の報告書を公開した。TIは1995年以降各国の腐敗に関する人々の認識を指数として評価しており、2025年版は182カ国を対象としている(※)。これによると世界の腐敗認識指数の平均は100点中42点であり、過去10年以上で最も低くなっている。

現在の手法で指数が算出されるようになった2012年の数字と比較すると、50カ国で腐敗認識指数の悪化が見られた。この中には、ベネズエラやシリア、ハンガリーなどの継続的な指数の低下が見られる国々の他に、もともと指数が高かったにもかかわらず近年急速に低下している国々が確認でき、具体的にはアメリカ、カナダ、イギリス、スウェーデンなどが挙げられる。これらの国では表現の自由への規制や集会の規制、利益誘導政治や裁判の政治的利用、司法の独立性の低下などが見られる。

また、スイスシンガポールなどの一見指数が高い国であっても、指数の評価対象にならない資金洗浄や賄賂の仲介を行うことで他国の腐敗を促進していることが指摘されている。

これに対して、数値が2012年から改善した国はエストニアや韓国、セーシェルなど31カ国ある。この中では権利を基礎に置いたより民主的な改革が行われた国もある一方で、権威主義体制下で汚職の取り締まりが強力に行われた結果改善された国もある。この点についてTIは、独立した司法や報道の自由、政治を批判できる環境がなければ、反汚職の取り組みは脆弱なものになると指摘している。

TIは2025年の1年間で、世界の腐敗に対する取り組みが弱まったと主張している。そして腐敗は病院や災害対策などに必要な公的資金の減少や、若者の将来の可能性を狭めるなどの害を人々に与えている

※ 腐敗認識指数は腐敗に関する人々の認識を評価したものであり、現実の腐敗状況をそのまま評価したものではない。なお、指数が高いほど腐敗の認識が低いことを意味している。

腐敗・汚職についてもっと知る→「GNV#腐敗

報道と腐敗についてもっと知る→「国際報道の充実は何を変える?

腐敗認識指数の改善が見られるウクライナの首都キーウで2025年7月に行われた反腐敗抗議活動(写真:Sasha Gulich / Wikimedia Commons [CC BY-SA 4.0])

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