GNVニュース 2026年9月30日
東南アジアの小学5年生の約2人に1人が、期待される水準の読解力を身につけていない実態が明らかになった。国連児童基金(UNICEF)と東南アジア教育大臣機構(SEAMEO)が2025年12月に発表した地域報告書によるもので、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、ベトナムの6か国を対象に、コロナ禍後初となる大規模な学力調査が実施された。
同報告書によると、東南アジアではコロナ禍による休校の影響を推計7000万人の子どもが受けたが、読解力は2019年からほぼ横ばいで、目立った回復は見られていない。一方で数学はわずかに改善したものの、5年生の19%は依然として3年生レベルの数学力にとどまっている。UNICEFのアジア太平洋地域局長は、基礎的な読み書き・計算能力がなければ、子どもたちは上級教育や将来の仕事に進むことができないと指摘し、各国政府に対して投資の強化を求めた。
また、低所得世帯や、家庭で使う言語が授業と異なる子ども、農村部の児童ほど成績が低い傾向も明らかになった。さらに、読解力はすべての国で女子が男子を上回り、その差は一部の国でさらに拡大している。一方、数学の成績に男女差はほとんど見られなかった。
こうした学力課題への危機感を背景に、東南アジア各国では、国民の読書を促す取り組みが進められている。シンガポールでは2026年9月から、読書をすると現金や割引券がもらえる新制度を開始した。背景には、スマートフォンの普及に伴うドゥームスクローリング(※)の広がりや、注意力・読解力の低下への懸念がある。
今回の調査が示しているのは、識字率そのものの低下というより、十分な読解や数学の基礎能力を身につけられていないという学習面の課題だ。2020年の調査でも、東南アジアで教育への満足度が2019年から2020年にかけて低下したことが報告されており、コロナ禍を経ても課題は残されている。
※ドゥームスクローリング(Doomscrolling):SNSなどで、悪いニュースや不安をあおる情報を延々と見続けてしまうこと。
コロナ後の教育課題についてもっと知る→「ポストコロナの世界の教育とその報道」
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ラオス・ウドムサイ県で授業を受ける子どもたち(2013)(写真:Bart Verweij / World Bank / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])





















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