GNVニュース 2026年9月13日
学校は子どもたちが知識を身につけ、将来の可能性を広げるための場所である。しかし現在、世界各地で学校教育が気候変動による災害や武力紛争などによって中断されている。
しかも、こうした危機は必ずしも一つだけで発生するわけではない。気候災害、紛争などが重なり合うことで、教育を継続することがより困難になる状況が生じている。
2026年9月、国連児童基金(UNICEF)は、2025年に世界で1億7100万人以上の生徒、約10人に1人が、気候関連の災害によって学校教育を中断されたとする報告書を発表した。報告書は106カ国・地域を対象としており、暴風雨、洪水、熱波、干ばつ、火事などによって、授業の中止、学校施設の損壊、授業時間の短縮、出席率の低下、遠隔教育への移行などが生じたことを明らかにしている。なかでも暴風雨による影響が最も大きく、2025年には約1億900万人の生徒が影響を受けた。洪水では少なくとも7000万人、熱波では約5000万人の教育が中断された。そして、影響を受けた生徒の約75%は低中所得国に暮らしている。つまり、気候災害による教育への影響は、災害そのものだけでは決まらない。教育施設や社会インフラが十分に整備されていない地域ほど、学習を継続することが難しくなる。また、一度の学校閉鎖だけではなく2025年には、106カ国・地域のうち40カ国で、年間に複数回の気候関連の教育の中断が発生した。
そして、教育を脅かしているのは気候変動だけではない。紛争の影響も深刻化している。「教育を攻撃から守る世界連合(GCPEA)」の報告書「2026 教育への攻撃」によれば、2024年と2025年において、学校や大学への攻撃、学生・教師への攻撃、教育施設の軍事利用などが世界各地で発生した。GCPEAはこの2年で、学校や大学への攻撃および軍事利用を合わせた件数は9259件としている。また、少なくとも1万600人の学生、教師、大学関係者などが殺害、負傷、誘拐などの被害を受けた。学校は本来、子どもたちが安心して学ぶための場所である。しかし紛争地域では、学校そのものが攻撃対象となったり、軍事目的で利用されもする。その結果、学校が物理的に破壊されるだけでなく、教師が避難したり、子どもが学校に通うことを恐れたりすることで、教育制度そのものが機能しなくなる。
気候変動による災害と紛争は、それぞれ独立して学校教育を脅かす場合もある。しかし、現実では、紛争によって避難を余儀なくされた地域が洪水や干ばつに見舞われたり、気候災害によって生活基盤を失った地域で貧困や社会的不安が深刻化することもある。
UNICEFは2025年の気候変動による学校教育の中断への対応として、気候変動に対する教育システムのレジリエンス強化、災害に耐えられる学校施設への投資、危機の最中とその後の学習継続、教育・気候データの改善などを求めている。
また、GCPEAの2024年の報告書は、気候変動と紛争に関連する教育への攻撃を別々のリスクとして扱うのではなく、「すべての災害・すべてのリスク」という包括的なアプローチが必要だと指摘していた。具体的には、早期警戒、予防的行動、学校の備えにおいて、気候変動のみでなく、紛争による教育への攻撃やその他の脅威も一体的に考慮することが必要と捉えている。
気候変動についてもっと知る→「まとめ記事:気候報道」
紛争と教育の関係についてもっと知る→「中東・北アフリカにおける教育の現状」

(写真:洪水の中を小舟で移動する子どもたち(インドネシア)UN Women Asia and the Pacific / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])





















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