無料給食の規模大幅縮小、インドネシア

by | 2026年07月20日 | GNVニュース, アジア, 政治, 教育, 経済・貧困

GNVニュース 2026年7月20日

インドネシアのプラボウォ・スビアント大統領の看板政策である「無料給食プログラム」が大幅な規模縮小を余儀なくされている。膨大な費用の割に効果が疑問視されてきたことに加え、イラン情勢の悪化による燃料費高騰を受け、政府支出の削減が求められているためだ。また所管官庁トップが汚職容疑で逮捕され、プログラムの存続自体を危ぶむ声も聞かれる。

このプログラムは、栄養不良による発育障害を防ぐため、インドネシア全土の8300万人の子どもと妊婦に無料で食事を提供するのが目的だ。2025年1月にスタートし、この1年半で約2万8000カ所の給食施設を開設、各施設が1日最大3000食を提供してきた。

しかし国家栄養庁(NNA)は、給食施設や受給者を減らし、20億米ドルを超える予算削減を検討している。報道によると、1万3000カ所の施設開設を一時停止し、給食の受給者を計画の半分近い4900万人まで減らすという。

プログラムに関しては当初から高額の費用に疑問の声が多かった。既存の学校施設を利用せず、新たに給食施設を建設することなどが費用を膨らませる要因として指摘されてきた。アメリカ、イスラエルのイラン攻撃に伴い、2026年3月以降、国際的に原油価格が高騰していることも政府支出の削減圧力となっている。

さらに追い打ちをかけたのがNAAの汚職事件である。2026年6月、長官と副長官2人が5600万米ドルに上る調達詐欺の容疑で逮捕された。捜査の手は現役の警察官や軍将校ら7人にも及んでいる。また数千件規模で食中毒が発生していることもプログラムのイメージ悪化につながっている。

こうした事態を受け、プログラムそのものを廃止すべきだとの指摘もある。2026年6月には、首都ジャカルタで数百人がデモを行い、国を「破産」に追い込む恐れがあるとしてプログラムの撤回を求めた。

インドネシアの給食制度についてもっと知る→「インドネシア:無償の学校給食の提供開始

インドネシアの政治についてもっと知る→「民主化後のインドネシアに残る課題

インドネシア・ジョグジャカルタの学校での昼食時間(写真:Harini Calamur / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])

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