コロンビア新大統領、「完全な和平」を正式に終了

by | 2026年08月30日 | GNVニュース, 南アメリカ, 政治, 紛争・軍事

コロンビア大統領に就任した極右のアベラルド・デラエスプリエジャ氏が、左派の前政権が掲げた「完全な和平」路線を全面転換し、次々と強硬策を打ち出している。「完全な和平」は3万人近いと推定されるコロンビアのすべての武装集団と交渉し、武装解除させるのが狙いだった。しかし成果を挙げられず、2026年6月に政権交代を許していた。

デラエスプリエジャ氏は2026年8月7日の就任演説で、コロンビアの武装集団に対する「対話の選択肢」は終わったとあらためて宣言した。8月23日には麻薬密売容疑でアメリカから身柄引き渡しを要請されていた5人の引き渡しを命じた。左派のグスタボ・ペトロ前大統領が「和平交渉」の担当者や交渉役であるとして、彼らの引き渡しを停止していたのだ。

翌8月24日早朝にはコロンビア軍が、武装集団の1つが支配するキャンプに空爆を実施し、戦闘員8人を殺害した。政府はこの集団が恐喝や麻薬密売に関与しているとしている。さらに8月29日には9つの大統領令を発令し、3つの主要な武装勢力とのあらゆる対話の枠組みを正式に閉ざした。

武装勢力は1960年代、政府の横暴に抵抗し、革命を求める左翼勢力として台頭した。しかし大半は、麻薬密売や違法採掘に手を染め、犯罪集団と化した。武装勢力間でも支配権を巡って衝突を繰り返し、殺人、誘拐、虐殺を引き起こした。

ペトロ政権は対話による武装解除を目指したが、武装解除に応じたのは99人のグループだけで、しかも6月の大統領選決選投票の直前のことだった。政権は支持を失い、「完全な和平」路線は失敗に終わった。

デラエスプリエジャ氏は大富豪の弁護士で、アメリカのドナルド・トランプ大統領とも親しい。犯罪者には猶予を与えず、投獄、殺害する方針だが、どこまで犯罪や暴力を抑え込めるかは見通せない。武装解除を検討中の集団が敵対的な政府の下でどう対応するかも注目されている。

コロンビアの前政権についてもっと知る→「急速に進むコロンビアの改革」

ポーズをとるデラエスプリエジャ大統領(写真: Abelardo de la Espriella / Wikimedia Commons [CC0 1.0])

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