ナイジェリア北部で深刻な飢餓

by | 2026年07月10日 | GNVニュース, サハラ以南アフリカ, 政治, 紛争・軍事, 経済・貧困, 農業・天然資源

2026年7月2日に国連世界食糧計画(WFP)は、ナイジェリア北部の9つの州で1700万人以上が、紛争の影響をうけて食料状態が危機や緊急事態、壊滅的な飢餓に直面していると警告した。その中でもボルノ州など北東部の飢餓は深刻で、北東部の3州で食料不安に陥っている約620万人のうち、WFPは74万人にしか支援ができていない状況である。

支援が行き届いていない要因はまずアクセス不能な場所の増加である。人道支援は武装勢力による攻撃や違法検問所によって阻まれている。またWFPの資金不足も支援を滞らせている要因である。資金不足による食糧支援の停止が、女性や子供への搾取や性被害の増加を引き起こしており、食料や収入を求めて武装勢力に加わる者もいる。WFPは、こうして人々が飢餓により限られた選択に追い込まれることを懸念しており、今後6カ月で8900万米ドルを必要としている。

北部で飢餓が起こっている理由は、燃料価格の高騰や紛争が影響して発生するインフレや、気候変動による洪水と干ばつが引き起こす農業生産の減少などが挙げられる。しかし、最も大きな要因はナイジェリアで長引く広範囲にわたる紛争だといえる。

ナイジェリアでは2000年代後半から現在もイスラム主義的な過激派組織が攻撃を繰り返している。また、近年では「武装盗賊」と呼ばれる集団が誘拐をして身代金を資金源に活動している。こうした武装勢力は、農家を標的として攻撃したり、違法な課税を課している。そのため農家が農業を行えなくなっているのだ。

過激派組織の活動は2025年から活発になっており、その範囲も拡大している。そしてナイジェリアだけでなく近隣諸国の組織と連携して活動している。国境管理が曖昧で、国家の手が届きにくいため国境付近の森林や農村部に拠点を置いている。

こうした武装勢力による暴力により、ナイジェリアでは2026年、6月までの6カ月間だけで3600人以上が殺害されている。イスラム主義的武力勢力は、西洋式教育を否定しキリスト教への攻撃を行っており、それを名目にアメリカの空爆による介入も受けているが、国内の治安悪化や飢餓に対してナイジェリア政府は効果的な対策がとれていない。

 

ナイジェリアについてもっと知る→「ナイジェリアを襲う「多層的暴力」

飢餓についてもっと知る→「食料システムと世界の飢餓

ナイジェリアのボルノ州でWFPが食料や電子食料引換券の配布、栄養支援を行う。(2026年)(写真:©️WFP/Arete/Khalid Hamza

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