死刑執行数が過去最高

執筆者 | 2026年05月20日 | GNVニュース, 世界, 法・人権

GNVニュース 2026526

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが2026517日に発表した年次報告書によると、2025年の世界の死刑執行数は2024年から78%増となる2707人に達し、1981年以来最高の記録となった。全執行数の約46%が、「最も重大な犯罪」ではない薬物関連犯罪によるもので、これは国際人権法および基準違反であると指摘されている。

最大の要因はイランで、執行数は少なくとも2159人と2024年の2倍以上に達し、全体の80%を占めた。イラン当局はイラン・イスラム共和国体制へ反対する者を抑圧する手段として死刑を利用した他、2022年の「女性、生命、自由」抗議運動に関連して2人が処刑された。さらに20256月のイスラエルからの軍事攻撃を受け、スパイ罪での執行も急増した。

サウジアラビアでも記録的な356人以上が処刑され、イランと合わせて死刑執行総数の93%を占めている。クウェートでは執行数が約3倍(6人から17人)に、エジプトで約2倍(13人から23人)、シンガポールで約2倍(9から17人)、アメリカで約2倍(25人から47人)と大幅な増加が見られた。アメリカでは17年連続で南北アメリカ唯一の執行国となり、フロリダ州だけで19人が処刑された。中国では数千人が処刑されたと推定されるが、正確な数字は非公開となっている。執行を行った国は17カ国以上と推計されており、日本、南スーダン、台湾、アラブ首長国連邦は2年以上ぶりに死刑を執行した。

一方、死刑廃止に向けた進展もあった。ベトナムは薬物輸送、贈収賄など8つの犯罪について死刑を廃止し、ガンビアは殺人や反逆罪などで死刑を廃止した。レバノンとナイジェリアでは死刑廃止法案が審議中である。国際連合は死刑の普遍的な廃止を提唱しており、2025107日の国連人権理事会では、死刑対象犯罪の削減の要請や強制的死刑の廃止の要請等を含む決議が採択された。現在、世界の半数以上にあたる113カ国が死刑を完全に廃止し、3分の2以上が法律上または実践上廃止している状況である。

近年の死刑制度廃止に向けた動きをもっと知る死刑のない世界に一歩前進か

これまでの死刑制度の状況をもっと知る世界の死刑

国連の会議に設置された、「死刑と被害者」と題されたポスター(写真:Manuel Elias / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])

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