GNVニュース 2026年5月31日
世界各地の沿岸地域で、地下水に海水が入り込む「塩水侵入」のリスクが広がっていることが、2026年4月に科学学術誌『ネーチャー・ウォーター』に発表された研究で明らかとなった。
この研究は、1990年から2024年までの34年間に渡る世界約48万か所の地下水観測データを基に、沿岸部の地下水の水位低下と塩水侵入の関係を体系的に世界規模で分析したものである。
世界の飲料水の約半分と灌漑用水の約4分の1は地下水から供給されている。しかし、調査対象の10%以上の場所で地下水位が顕著に低下しており、塩水により水の使用ができなくなる可能性が明らかとなった。他方で気候変動による海面上昇により、場所によっては塩水化の抑制が難しくなっている。この研究に携わった論文の著者は、地下水は地下に存在しているため、危機が「見えにくい」構造となっていると指摘している。
しかし、今回の大規模な観測データは事実として地下水が危機に瀕していることを示している。特に乾燥地帯や、大規模農業地域、人口密集地域におけるリスクが高いとする。但し、データがヨーロッパやアメリカなどの温帯地域に偏っており、アフリカ、赤道地域、南米やアジアの大部分などのデータが十分ではないことも本研究の制約とされている。
なお、この論文の発表よりも前の2026年2月にBBCの記事も、ガンビアやアメリカ、ベトナムの個別の事例などをあげ、農家の現状などこの問題が世界各地で進んでいることを紹介している。
論文では結論において、今後の必要な取り組みとして、更なるモニタリングの強化と観測データの統合による早期の塩水侵入リスクへの対応の必要性を指摘している。
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塩水侵入が問題となっているモルディブ(写真:IWRM AIO SIDS / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])





















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