GNVニュース 2026年10月2日
2025年に世界で報告されたコレラの症例数は前年より減少した一方、死亡者数は増加した。世界保健機関(WHO)は2026年9月29日、2025年のコレラの世界的な流行状況を公表し、47カ国から45万1499人の症例と7870人の死亡が報告されたと発表した。これはWHOが把握する年間のコレラ死亡者数として1999年以来最多となる。
コレラは、毒素産生性のコレラ菌によって引き起こされる急性細菌性腸感染症で、コレラ菌に汚染された水や食物を摂取することで感染する。特に、安全な飲料水、基本的な衛生設備、衛生習慣が十分ではない地域で感染が拡大しやすい。しかし、コレラは本来予防と治療が可能な感染症である。安全な水や衛生設備へのアクセスを確保し、感染した場合にも早期に適切な治療を受けることができれば、多くの死亡を防ぐことができる。にもかかわらず、なぜコレラによる死者が増えているのだろうか。
WHOの報告によると、2025年に報告されたコレラ症例数は、2024年の56万823件から45万1499件へと19.5%減少した一方、死亡者数は6028人から7870人へと30.6%増加している。WHOの統計は各国のサーベイランスによって報告されたデータであり、報告体制や症例の把握方法は国によって異なる。また、2025年には77カ国からデータが提出されておらず、81カ国は「症例ゼロ」と報告している。よって、報告症例数の増減だけから世界全体の実際の感染状況を判断することはできない。ただし、2025年においては、イエメン、南スーダン、スーダン、コンゴ民主共和国、アンゴラ、ナイジェリア、バングラデシュの7カ国で、報告された症例の約89%、死亡者の約91%を占めた。コレラが多く発生している国々に、紛争や災害等による国内避難といった別の危機が重なっていることが指摘されている。
紛争によって上下水道などのインフラが破壊されたり、医療施設へのアクセスが困難になり、感染症への対応能力も低下する。また、人々が避難を余儀なくされ、限られた場所に多数の人が集まることで、安全な水や衛生環境を確保することがさらに難しくなる。
さらに、洪水やサイクロンなどの気候関連災害も、安全な水へのアクセスを妨げる可能性がある。WHOも、気候変動に関連する事象や人口移動、紛争などが、コレラの流行リスクを高める要因になり得るとしている。
コレラについてもっと知る→「イエメン:悪化するコレラ危機」

ニジェールにおけるコレラ対策の様子(写真:European Union 2018 / Flickr[CC BY-NC 2.0])





















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