
先住民問題に関する常設フォーラムの開会式(写真:UN Photo / Manuel Elías)
世界最大の先住民の集まり、国連の「先住民問題に関する常設フォーラム(UNPFII)」の年次会合が2026年4月20日から5月1日までアメリカ・ニューヨークの国連本部で開かれ、「紛争下を含む先住民族の健康確保」をテーマに議論した。先住民の健康は、祖先から受け継いだ土地、言語、精神的な慣習と切り離せないと強調し、これを国連機関、加盟国の「政策と実践の中心」とするよう求める勧告を採択した。
フォーラムは2000年、国連の経済社会理事会の補助機関として発足し、2002年から毎年、会合を開いている。25回目の節目となった2026年の会合には1000人を超える先住民族代表、加盟国代表らが参加した。
フォーラムの議長、アルキ・コティエルク氏(北極圏)は閉会のあいさつで「土地なくして健康はない」と述べた上で、先住民と他の人々の間に健康面の不平等が生まれていると指摘した。その原因は「植民地化、土地のはく奪、(鉱物資源などの)採掘産業、環境汚染、文化や癒しの行為を犯罪化すること」であるとし、「健康を取り戻すために脱植民地化を推進しなければならない」と呼びかけた。
世界銀行によると、先住民は世界人口の6%にすぎないが、極度の貧困状態にある先住民は全人口の18%に上る。紛争や環境危機の下では、こうした不平等が先住民の健康に不釣り合いに大きな被害を与えるという。
また先住民族の指導者は命の危険にもさらされている。2023年に土地や環境の保護運動家が少なくとも196人殺害された。このうちほぼ半数が先住民とアフリカ系の人たちだった。コティエルク議長は「人権侵害への対処を最優先課題とし、先住民族の人権擁護者に正義と賠償を保証」するよう各国に訴えた。
一方、アメリカ政府の入国ビザ発行が厳しくなっており、フォーラム参加予定者の中にも申請を却下された人がいた。グローバルサウスの先住民たちは、国連本部で自分たちの権利を主張する前に、ドナルド・トランプ政権と対峙しなければならない事態になっている。
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