4月13日、イギリスのスティーヴン・ダウティー国務相はインド洋に浮かぶチャゴス諸島のモーリシャスへの返還に関するモーリシャス政府との合意を停止したことをイギリス議会で認めた。
モーリシャスとイギリスは2025年5月にチャゴス諸島の主権をモーリシャスに移譲することに合意した。また、同合意の中でチャゴス諸島の南端のディエゴガルシア島におけるイギリスとアメリカの共同軍事基地の管理権については、イギリスが99年間延長することとしていた。しかし、この合意はアメリカ、特にドナルド・トランプ大統領からの強い反対を受け、停止されることとなった。
一方、モーリシャスは、この合意の停止に関し、チャゴス諸島を取り戻すことに法的、及び外交的な手段を惜しまず、全力をあげることを表明している。
チャゴス諸島は、最大の面積を擁するディエゴガルシア島を含む60以上の小さな島々からなり、イギリス植民地時代はモーリシャスの一部として扱われていた。1965年のモーリシャス独立の際、チャゴス諸島はモーリシャスと分離され、イギリス領として残された。そして、チャゴス諸島の全住民は様々な手段を用いて同諸島から強制的に移住させられた。現在までチャゴス諸島への帰還が認められない中、イギリス、モーリシャス、セーシェルなどで暮らしているとされる。
中でもこのように無人化されたディエゴガルシア島は、1966年に英米間の合意により50年間アメリカの軍事基地として使用されることとなり、中東等の軍事戦略において重要な役割を担うこととなった。さらに、英米間の合意により2016年から20年間の基地使用の延長が認められた。
チャゴス諸島の元住民は帰還に向けての活動を続け、2019年には、国際司法裁判所がイギリスの統治の早期終了するべきとの勧告的意見を出した。 2025年5月のモーリシャスとイギリスの合意はこれらの結果も踏まえたものとなっていた。
なお、4月22日にはモーリシャス政府とイギリス政府間でチャゴス諸島に関する協議が予定されている。
チャゴス諸島についてもっと知る→「チャゴス諸島:当事者不在の領土紛争」

ディエゴガルシア島の基地にて待機する米軍機 (写真: U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Caine Storino /Flickr [PDM 1.0])





















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