人道支援従事者への危機が高まる

by | 2026年08月21日 | GNVニュース, 世界, 法・人権, 紛争・軍事

GNVニュース 2026年8月21日              

援助活動従事者安全データベース(AWSD)が2026年に出した報告書によると、世界で人道支援の従事者の殺害は2025年で350件に上り、2024年に次いで史上2番目に多い記録となった。その中でもガザは186人と最も致命的で、スーダンの71人と合わせて全体の死亡者数の4分の3を占めた。そして後にはコンゴ民主共和国、南スーダン、イエメンと続いた。

その他にも、誘拐は235件、負傷者は322人で過去最高であった。さらに支援従事者への国家が主導する逮捕や拘束は280件に及び、近年増加している懸念である。この国際人道法に反する行為は、支援従事者を威圧・管理し、そして市民社会を沈黙させ抑圧するための手段として利用されている。逮捕や拘束は、主に支援従事者がその中立性を疑われ、国家への脅威としてスパイ嫌疑や行政手続き上の違反を口実に実行されることが多い。また、2026年8月14日にはウクライナで避難者を輸送中の赤十字社のドライバーが警察に拘束され、徴兵された事例もある。

全体の被害をみてみると、2025年に被害にあった支援従事者は1187人と依然として多く、増加している。2025年からの人道支援の資金削減によって、活動を制限せざるを得なくなっている国際スタッフへの被害は大幅に減っているものの、国内の支援従事者への負担が大きくなっている。最近の傾向としてドローンなどの無人航空機などの使用が多くなっていることもあり、ますます危険が高まっている。

最も危険な地域であるガザでの2025年の支援従事者の死傷者は、大半は空爆によるもので他は小型武器などが原因だった。そして23人がイスラエル軍により拘束された。ガザは2025年10月から停戦下にあるにもかかわらず、引き続き死傷者が出ている。

世界最悪の人道危機とされる紛争開始から3年が経つスーダンでは、支援従事者の死亡者数は年々増え続けている。また、以前は誘拐が主な暴力手段だったが、2025年には小型武器による死亡が最も多かった。またコンゴ民主共和国では支援従事者への被害は2024年と比べて3倍に増加した。

 

国連の人道支援についてもっと知る→「国連主導の人道支援システムが抱える課題

スーダンの紛争についてもっと知る→「スーダン:紛争開始から3年

コンゴ民主共和国の紛争についてもっと知る→「コンゴ民主共和国:紛争の概要

南スーダンで支援従事者が攻撃を受け死亡した現場を調査する様子、2018年(写真:United Nations Photo / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])

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