世界の「多元的貧困」が15年ぶりに増加

by | 2026年10月14日 | GNVニュース, 世界, 経済・貧困

国連開発計画(UNDP)とオックスフォード大学は世界的な多次元貧困指数(MPI)の2026年版最新報告を発表した。これによると、健康、教育、生活水準にわたって多元的(多面的)な貧困状態にある人の数は、MPIが2010年に導入されて以来、初めて増加し、12億人に達した。2025年版よりも5150万人増えた。

MPIは所得だけでなく、健康、教育、生活水準を通じて重複する困窮状態を測定するための指数である。栄養状態や乳幼児死亡率、電気・飲料水・衛生設備へのアクセス、生活水準など10の指標を設け、このうち3分の1以上で欠乏状態にある人は「多元的貧困」にあるとみなされる。

2026年版は、世界人口の78%を占める108カ国を対象にした。多元的貧困にある12億人のうち、半数以上の6億1700万人が子どもで、83%が農村部に住んでいた。

多元的貧困が増加した要因の一つに人口増加が挙げられる。生活水準の向上に向けた取り組みを上回る人口増加が、貧困を生む結果になったという。

国連の持続可能な開発目標(SDGs)は各国に対して、2030年までにあらゆる貧困状態を半減させることを求めている。UNDPは困難を伴うものの、多元的貧困状態にある人に関しても目標達成は可能であるとみている。

MPIの推移データがある89カ国のうち、33カ国が15年足らずでMPIを半減させており、その中にはサハラ以南のアフリカの6カ国も含まれている。エスワティニは15年間で特に目覚ましい進展を見せ、多元的貧困状態にある人の割合を38.7%から8.0%に低下させた。またデータが入手可能な国々の中で中国は最も急速な改善を記録し、2010~2014年のわずか4年間で多次元貧困状態にある人の割合を9.5%から4.2%に減らした。

UNDPは、こうした成功事例を踏まえながら、多元的貧困状態の増加という「緊急事態」への対応を求められている。

ガーナの住宅地 (Photo: Jenny / Flickr [CC BY-NC-SA 2.0])

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