GNVニュース 2026年7月16日
欧州連合(EU)は2026年7月13日、欧州委員会の副委員長であるラファエレ・フィット氏を、キプロス問題担当特別代表に任命した。キプロス担当の新たな特別代表を任命し、EUは、長年にわたり分断されているキプロス島をめぐる交渉再開に向けた「新たな機運」が生まれているとの見方を示した。
キプロス島は1974年、当時のギリシャ軍事政権が支援したニコシアでのクーデターによりギリシャとの統合が図られ、ギリシャ系キプロス人とトルコ系キプロス人の間で対立し、正式に分割された。同年のトルコによる侵攻が行われて以来、分断されたままである。
国連が主導してきた数十年にわたる交渉も、島の再統一には至っていない。2017年にスイスのクラン・モンタニュで行われた協議の試みは、双方に合意する寸前までいったものの、結局失敗に終わった。現在、国際的に承認され、EU加盟国であるキプロス共和国は、ギリシャ系キプロス人が多数を占める島の南部を支配している。1983年に宣言された北キプロス・トルコ共和国は、トルコのみによって承認されている状況だ。
そんな中、今回のEUの任命を受け、トルコ系キプロス人行政の外務省はこの任命を「一方的」「違法」等であると非難する強い反論を発表し、この任命はトルコ系キプロス人の同意なしに行われたものであると述べた。トルコ外務省のオンジュ・ケチェリ報道官は、「アンカラは今回の任命を、キプロスに関連するこれまでのEUの任命と同様、EUの内部問題と見なす」と述べ、「EU、とりわけ欧州議会が、この紛争に対してますます偏った姿勢をとっている」と非難した。
一方で、和平プロセスに取り組んできた国連にも動きがある。
2024年より国連事務総長のキプロス担当個人特使である、マリア・アンヘラ・ホルギン氏は、トルコ系キプロス人の地位が平等に扱われていないと主張し、北キプロス・トルコ共和国(TRNC)との合意に向けて取り組んできた。ホルギン氏は、これまでの交渉で検討されてきた連邦制モデルから離れ、EU内においてより柔軟な解決策を提案しているようだ。ギリシャ系キプロス人が「連邦」と呼び、トルコ系キプロス人が「連合」と呼べるような構造で、意図的な曖昧さを通じて双方の隔たりを埋めることを目指している。
キプロス島についてもっと知る→「「外交の墓場」:分断されたキプロス島」
トルコ共和国についてもっと知る→「トルコ:拡大する勢力範囲」

ニコシア(キプロス)のグリーンライン(写真:Marco Fieber / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])





















0 Comments