ボリビアで反政府運動、緊張高まる

執筆者 | 2026年05月23日 | GNVニュース, 南アメリカ, 政治, 経済・貧困

南アメリカのボリビアで労働者が主要道路を封鎖するなど、反政府運動が激しさを増している。道路封鎖によって事実上の首都ラパスでは食料、燃料不足が深刻化し、医療用の酸素の供給にも支障が出ている。元大統領が反政府行動を支持する一方、アメリカ政府が現政権支持を周辺国に呼び掛けており、国境を越えて緊張が広がっている。

反政府運動は当初、労働組合の賃上げ、農民たちの燃料の安定供給、教員たちの待遇改善など、各分野の労働者のばらばらの要求が始まりだった。政府は緊張緩和に向けて賃上げ交渉に臨む一方で、道路封鎖を解除するために治安部隊を投入、60人近くの労働者を逮捕した。政府によると、道路封鎖により、救急車両が患者を病院に運べず、少なくとも3人が死亡したという。

これに対して、労働者たちも要求をエスカレートさせている。2025年11月に就任したばかりの保守派のロドリゴ・パス大統領に対して、緊縮財政の見直し、物価高騰への対応を求めるとともに、大統領自身の辞任も迫っている。

緊張が高まる中、政府はエボ・モラレス元大統領が道路封鎖を支持し、労働者らを扇動していると非難している。モラレス氏は、経済的困窮、政治的迫害が抗議行動を引き起こしたとし「燃料、食料、インフレといった構造的問題が解決されない限り、抗議行動は止まらない」とXに投稿した。

裁判所は5月初め、モラレス氏が人身売買事件の裁判への出廷を怠ったとして、法廷侮辱罪で起訴した。しかしモラレス氏本人は不正行為を否定。数千人の支持者が集まり、抗議する事態となった。

こうした中、アメリカのクリストファー・ランダウ国務次官補がパス大統領を支持する声明を発表した。パス氏は民主的な手続きをへて選ばれており、反政府行動は「政治と組織犯罪との不道徳な結託によって資金提供されているクーデターだ」と断定。周辺国に対してもパス氏支持を呼び掛けた。

だが南アメリカの国々の対応は割れている。アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は真っ先にパス氏支持を表明した。一方でコロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は反政府行動を「民衆蜂起」と呼び、平和的解決に向けた仲介役を果たす考えを示した。ボリビア政府はこれに反発し、駐ボリビア・コロンビア大使を国外退去させ、両国の亀裂が深まっている。

ボリビアの過去の講義についてもっと知る→「ボリビア:燃料補助金廃止をめぐる抗議活動が終結

ボリビアの政治についてもっと知る→「揺れ動くボリビアはどこへ向かっているのか

ボリビアの教育省前で行われたデモの様子、2026年5月(写真: N1ny4 t / Flickr [CC BY-SA 4.0])

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