GNVニュース 2026年10月16日
アフリカ南東部に位置するインド洋の島国モーリシャスで、2026年10月大規模な暴動が発生している。今回の暴動は1999年(※)以来の大規模な暴動とされる。
この暴動の発端は10月5日の水の供給不足に対する抗議、そしてそれに重なる生活費高騰への抗議だった。しかし、9日に警察官がデモに参加していた女性に発砲し、負傷したことをきっかけに激化し、暴力的なものとなった。抗議者らは道路を封鎖し、タイヤなどに火を放ったほか、警察署や公共施設への破壊行為も発生した。モーリシャス政府は13日に夜間外出禁止令を出し、16日朝まで実施するなど治安対策を強化している。また、14日までに未成年者16人を含む94人が逮捕され、15日の夜間取り締まりでも26件の逮捕事案があった。政府は事案によってはテロ防止法に基づく訴追も検討するとしている。
抗議行動の背景には、日常生活に欠かせない水の供給不足と物価上昇がある。干ばつによる貯水池の枯渇や中東での紛争による燃料の高騰の影響が指摘されている。主要な貯水池の一つであるマール・オ・ヴァコア貯水池の貯水率は35.7%にとどまっており、2026年9月の年間物価上昇率は昨年の3.4%から4.1%に上昇したとされる。政府は、現時点で治安は制御下にあるとしている。
しかし、BBCの専門家の見通しでは、雨季が始まると予想される12月ごろまで、水不足が続く可能性がある。水の供給が安定しなければ、住民の不満が再び高まり、抗議行動が再発する可能性も否めない。
モーリシャスは、アフリカにおいて、セーシェルに次いで一人当たりGDPが高く比較的安定した民主主義国家とされてきた。今回の暴動の再発や長期化は、国内の安定のみならず、同国にとって、主要産業である観光業等の国際的なイメージにも影響を及ぼしかねない。
※ 1999年の暴動は、人気音楽家が警察の拘束下で死亡したことをきっかけに発生した。警察の怒りが広がり、数日間にわたる暴動に発展した。
モーリシャスについてもっと知る→「チャゴス諸島:当事者不在の領土紛争」

モーリシャス最大のマール・オ・ヴァコア貯水池(写真:Historic Mauritius / Flickr[CC BY-NC-ND 2.0])





















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