金に関連する水銀汚染の増加:特に女性に影響が大きい

執筆者 | 2026年06月18日 | GNVニュース, ジェンダー・性, 世界, 保健・医療, 環境, 農業・天然資源

GNVニュース 2026年6月18日

世界的な金の需要が高まるなかで、零細・小規模金採掘に関連する水銀汚染も増加傾向にあり、世界中の人々の健康と生計を脅かしている。世界の金需要は2025年に初めて5000トンを超え、推定5550億米ドルに達した。零細・小規模鉱業は世界の金生産の12~15%を占めている。これは多くの低所得コミュニティにおける主要な収入源であり、世界で推定1000万~2000万人を直接雇用しており、そのうち約400万~500万人は女性と子どもである。

零細・小規模金採掘では、粉砕した鉱石から金を分離する際に安価で効率的であるという理由から、水銀が一般的に使用されている。水銀は金と結合して水銀・金アマルガムを形成し、採掘者はこれを燃やして水銀を蒸発させ、金を回収する。このような採掘は、人為的な年間水銀排出量の約37%を占めると推定されている。

水銀に依存した金採掘は、有毒な蒸気や汚染された採掘廃棄物を通じて、毎年2000トンを超える水銀を放出している。採掘工程で使用される水銀のほぼすべてが大気、水、土壌に流出し、採掘者とその家族、近隣コミュニティを曝露させている。

男性が鉱石の採掘を行うことが多い一方で、金の精錬過程で水銀を扱うのはしばしば女性であり、自宅近くで水銀を保管したり、水銀と金の混合物を燃やしたりすることが多いことから、女性はとりわけ大きなリスクにさらされている。水銀に関する水俣条約(※1)の事務局長モニカ・スタンキエビッチ氏は、2026年5月30日から6月6日までウズベキスタンのサマルカンドで開催された第8回グローバル環境ファシリティ総会ので、この懸念を提起した。

妊娠中、母体の血流中の水銀は胎盤を通過して胎児の血液循環に入り、発達中の脳に到達しうる。出生前の水銀曝露レベルが高いほど、子どもの学習能力、記憶力、運動発達の障害と関連していることが報告されている。

女性の水銀曝露に関するデータは依然として限られており、とりわけ違法採掘の存在がその一因となっている。しかし、地域レベルの研究からは重大なリスクが示されている。たとえばタンザニアでは、零細・小規模金採掘が120万人以上を直接雇用し、さらに720万人の生計を間接的に支えているとされる。同分野は年間推定13.2~24.4トンの水銀を消費している。タンザニア北西部の妊婦1056人を対象とした2023年の研究では、76.5%の女性が、研究で用いられたバイオモニタリングの基準値を超える血中水銀濃度を示した。

※1 水銀に関する水俣条約は2013年に採択され、日本の水俣市にちなんで名付けられた。同市では1950年代から、工場からの水銀排水により広範な中毒被害が発生した。この条約は、水銀の採掘、取引、利用、大気排出、廃棄を対象としている。条約は、零細・小規模金採掘における水銀使用の削減と、安全で水銀を使用しない代替技術の普及を求めている。

違法な金採掘についてさらに知る →「ペルー:世界を巻き込む違法金採掘

コスタリカにおける違法金採掘の拡大についてさらに知る → 「コスタリカ:違法金採掘の拡大

2012年10月、タンザニアのバリック・ゴールド社ノースマラ鉱山近くで金を洗い分ける女性。(写真:Plenty’s Paradox / Flickr / CC BY-NC 2.0

 

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