スーダンのエル・オベイドでの大量虐殺への恐れが高まる

執筆者 | 2026年06月26日 | GNVニュース, サハラ以南アフリカ, 中東・北アフリカ, 法・人権, 紛争・軍事

GNVニュース 2026年6月26日

国連の人権高等弁務官が、準軍事組織である即応支援部隊(RSF)が北コルドファン州の州都エル・オベイドに対して地上攻勢を準備している可能性があると警告したことを受け、スーダンで新たな大規模残虐行為が起こる危険性に対する国際的な懸念が高まっている。国連人権高等弁務官のフォルカー・ターク氏は、このような攻撃は、2025年10月に北ダルフール州の都市エル・ファシールを制圧した後、RSFが同市およびその周辺で行ったとされる大規模虐殺、さらに同年4月に近隣のザムザム避難民キャンプを制圧した後に報告された殺害行為の繰り返しとなり得ると述べた。

6月18日、ターク氏は、エル・オベイド周辺でRSFおよび同盟勢力による大規模な兵力集結が報告されており、これにドローン攻撃や砲撃の激化が重なっていることから、重大な国際犯罪が発生する危険性が高まっていると警告した。その日の後半には、国連のアントニオ・グテーレス事務総長も同様の警告を発し、戦闘当事者に影響力を持つ各国に介入を求めるとともに、世界は「エル・ファシールの惨劇がエル・オベイドで繰り返されることを決して許してはならない」と強調した。

その2日後の6月20日、国連安全保障理事会は、RSFに対しエル・オベイドへの攻撃を直ちに停止するよう要求した。安保理は、差し迫った大規模残虐行為の危険性に懸念を表明し、市内へのドローン攻撃が報告されていることを非難した。また、あらゆる人権侵害に対する説明責任を求めるとともに、市民への安全で妨げられない人道的アクセスの確保を呼びかけた。

スーダンでは、2023年4月にRSFとスーダン軍(SAF)とのあいだで戦闘が勃発して以来、戦争が続いている。この紛争により900万人以上が避難を余儀なくされ、約1,950万人が深刻な飢餓に直面している。また、戦争開始以降に死亡した人の数は15万人を超えると推計されているが、実際の死者数はそれを大きく上回るとみられている。すでに北ダルフールおよびコルドファンの一部地域では飢きんが確認されている。

この人道危機は、広範にわたる人権侵害によっても特徴づけられている。国連人権高等弁務官事務所が6月23日に公表した報告書は、紛争全体を通じて性暴力が組織的に戦争手段として用いられてきたことを明らかにした。同事務所は、2023年4月から2026年4月中旬までのあいだに、少なくとも838人の被害者(大半は女性と少女)が関与する546件の事案を確認した。報告書は、そのほとんどの事案をRSF系戦闘員の責任とし、継続的な過少申告のため、実際の被害規模ははるかに大きい可能性が高いと指摘している。

一方で、新たな疑惑は、この紛争に対する他国の対応にも注目を集めている。6月23日、イェール大学の調査員ネイサニエル・レイモンド氏は、イギリス議会の委員会に対し、イギリス外務・英連邦・開発省が、エル・ファシールの虐殺を防ぐ一助となり得た諜報機関からの警告に対応するよりも、アラブ首長国連邦(UAE)との関係を優先していたと証言した。UAEは、RSFを支援しているとの疑惑を繰り返し否定している。国連がエル・オベイドで新たな大規模虐殺行為の可能性を警告するなか、国際的な取り組みが暴力の再発を防ぐうえで十分なものとなるかどうかに、改めて注目が集まっている。

エル・ファーシルでの残虐行為について詳しく知る → 「スーダン:『ジェノサイドの特徴』が報告される

スーダン紛争について詳しく知る → 「スーダンの紛争:3年を経て

エル・オベイドの幹線道路(写真:Matab Hamed/ウィキメディア・コモンズ[CC BY-SA 4.0])

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