GNVニュース 2026年7月22日
国際NGO「グローバル・ウィットネス」は2026年7月21日、カナダの大手鉱山会社ファースト・クァンタム・ミネラルズ(FQM)が、過去20年にわたりザンビアの民主主義に対して秘密裏の影響工作を行ってきた疑いがあるとする調査報告書を公表した。
ザンビア経済は銅の採掘に大きく依存しており、輸出収入の74%、政府歳入の25%を銅が占める。FQMは同国最大の銅生産企業であり、最大の納税者でもある。報告書によれば、FQMおよびその関係者は、2021年に大統領に就任したハカインデ・ヒチレマ氏の政党を過去の複数の選挙にわたって資金面で支援してきたとされ、2026年8月の総選挙に向けても最大5000万米ドルの支援を約束したという(FQM側はこの主張を全面的に否定している)。
ヒチレマ氏はオッペンハイマー家が設立した政策シンクタンク「ブレントハースト財団」とも長年にわたり密接な関係を築いてきた。同財団は野党時代のヒチレマ氏を資金・技術両面で支援し、就任後に導入された経済政策の草案も作成していたとされる。さらに、イギリスの「ヴォート・リーブ」キャンペーンにも関わったロビー団体SABIストラテジー社が、2015年以降ヒチレマ氏のソーシャルメディア戦略を主導し、有権者を標的にした情報操作を行ってきたと指摘している。
そして、ヒチレマ政権発足後、FQMは大きな恩恵を受けたとされる。ザンビアの鉱業税制改革により、同社は2022年から2025年の間に推定7億7100万米ドルの税負担軽減を受けたという独立分析結果が示されている。また2022年には、国営鉱業投資会社ZCCM-IHとの間で非公開の契約が結ばれ、複数の訴訟も取り下げられた。
2025年12月には、物議を醸した憲法改正案(第7号法案)の採決をめぐり、野党・無所属議員らが密かに高級ロッジへ招待され、賛成票と引き換えに現金が提供された疑惑も報告されている。
報告書はこの事例を、資源国における民主主義の脆弱性を示す一例として位置づけている。巨大な採取産業が民主的制度の弱点に付け込み、コンサルティング企業や富豪の影響力ネットワークと結びつくことで、公正なエネルギー転換や健全な情報環境、さらには気候変動対策そのものを損なう可能性があると指摘している。
なお、FQMはこうした報告書の主張について、「根拠のない憶測に基づくものであり、事実無根」と全面的に否定している。同社は、コンプライアンス体制について独立した監査を受けていると説明しており、贈賄などの不正行為には一切関与していないとの立場を強調している。ザンビアでは8月13日、大統領・国会議員選挙が予定されており、今回の報告書がどのような影響を及ぼすか注目される。
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カンサンシ銅鉱山(ザンビア)で生産された銅板(写真:Virgil Hawkins)





















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