GNVニュース 2026年7月31日
2026年7月、ニカラグアで行われた1979年のサンディニスタ革命の記念演説でダニエル・オルテガ大統領が登壇した。オルテガ氏は野党勢力が他国政府やサモサ主義者に支援されていることを非難し、今後、国内での選挙が行われることはないと宣言した。オルテガ大統領主導の議会は、野党政党の選挙出馬を禁止するかどうかを議論しており、8月に採決を行うとしている。議会側は、この措置が平和、安全、安定、そして貧困撲滅に向けた成果の継続を確保するためだと主張。また、オルテガ氏は、「国外の脅威」に対して壁を築くための新法だと位置づけ、対立勢力や外圧への対応姿勢だとして正当化を図っている。これについて国連人権高等弁官は、ニカラグア政府に対し、基本的人権の尊重に対する義務に従ってあらゆる政治的見解を持つ人々が投票および立候補できる環境を整備するよう訴えた。
1984年から1990年まで大統領を務めたオルテガ氏は、2006年の選挙で大統領に復帰。2021年の大統領選では、野党を非合法化し主要な対立候補を投獄、あるいは国外追放に追い込んだ上で再選を果たした。さらに2025年2月には副大統領であった妻のロサリオ・ムリジョ氏を「共同大統領」へと昇格させるとともに、大統領任期を5年から6年に延長。人気の先延ばしと一族へのさらなる権力集中を加速させている。
オルテガ=ムリジョ政権は、300人以上が殺害された2018年のデモ鎮圧以降、数千人の投獄や100万人規模の強制流刑を重ね、恐怖政治で反体制派を徹底的に抹殺してきた。国外へ逃れた野党指導者はオルテガ氏が一党独裁国家にしようとしていると批判する。また、投獄経験を持つ元大統領候補は、オルテガ政権の強硬策について反体制派を完全には根絶できていないという焦りを示したものだと分析し、反対勢力を完全に無力化できず、人々が今も国のために戦い続けていることを、オルテガ氏は理解しているのだと指摘する。政治的思惑や体制への執着が混迷を極める中、投票権や被選挙権という基本的人権を根本から奪われ続けているのはニカラグアの一般市民である。
ニカラグアについてもっと知る→「ニカラグア:民主化への希望は何処へ」
中南米の政治についてもっと知る→「中南米政治・社会が直面する課題」

ニカラグア(写真: Fotos Presidencia El Salvador /Wikimedia Commons / [CC0 1.0])





















0 Comments