インドネシアにおいて森林火災が急増

by | 2026年08月27日 | GNVニュース, アジア, 環境

GNVニュース 2026年8月27日

インドネシア全土で、森林火災や土地火災が再び急増している。ボルネオ島のインドネシア側であるカリマンタンでは、数週間にわたり森林火災が猛威を振るい、有害な煙霧が覆っている状況が続く。国境を越えた煙霧も引き起こしており、現在、マレーシアやシンガポールにも脅威を与えている。健康被害も急速に拡大している。保健省のデータによると、西カリマンタン州では7月以降、毎週約5000人が呼吸器系の症状を訴えて来院している。これは、2026年上半期の週平均500人と比べて大幅に増加している数値だ。また、同州では、オランウータンのリハビリ施設のすぐ近くまで火が迫った。施設には絶滅の危機に瀕しているボルネオオランウータン60頭以上が保護されており、森林火災は重要な保護活動にも影響を及ぼしている。

一体、これだけ森林火災を激化させているものは何か。当局によると、2026年のスーパーエルニーニョ※が火災を激化させている可能性がある。インドネシアの森林火災は乾季、およそ7月から10月にかけてピークを迎え、9月と10月に最も深刻な被害をもたらす。特に、降雨がほぼなくなるエルニーニョの年にはその傾向が顕著だ。インドネシアの泥炭に関する研究によると、特にエルニーニョの期間中、地下水位の下落が泥炭地の劣化や火災の主な要因であると示されている。また、火災により有機物が減少し、土壌の安定性が損なわれ、結果的に土壌が水を通しにくくなると明らかにされている。これにより、乾燥した土壌がさらに火災の燃料となり、悪循環に陥ってしまう。

しかし、原因はそれだけではない。大規模な火災は、乾燥した天候に加え、アブラヤシなどの産業用プランテーション拡大による、土壌が水を保持する能力の喪失が重なったときに発生する。ボルネオ島とスマトラ島では、プランテーション用地を確保するため違法に土地を焼かれた事例があり、8月23日、インドネシア警察は、その疑いのある72人を逮捕した。加えて、インドネシアのプラボウォ・スビアント大統領は、土地の開墾を指示した疑いのある企業の営業許可を取り消すよう当局に指示した。インドネシア特有の熱帯雨林には泥炭地生態系が存在しており、本来ならば火災に対して強い耐性を持つはずであった。しかし、プランテーション用地確保のために建設された排水網が、土壌が本来持つ保水能力を奪ってしまったのだ。

火災を予防するためには、泥炭地の開拓を止めさせ、劣化した地域において土壌から回復させることが必要となるが、実現できるのか。現在も緊急対応チームによる、消火活動は続いている。

インドネシアの森林についてもっと知る→「インドネシア、世界最大規模の森林伐採が進行

エルニーニョ現象についてもっと知る→「エルニーニョ現象がもたらす悪影響

熱帯太平洋の海面水温が平年より著しく高くなる現象

インドネシアにおける森林火災の様子(写真:Landscape Alliance / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0]

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