GNVニュース 2026年4月29日
2026年4月24日、国際連合体が『2026年版世界食糧危機報告書(GRFC)』を発表した。報告書内では過去10年間で深刻な飢餓に直面する人々の数が2倍に増加したことなど、深刻な食糧不足の状態が示されている。
2025年には47の国・地域において2億6600万人が深刻な急性食糧不安に直面し、過去20年間で最も深刻な水準の1つとなっている。特に、これらの状態は特定の地域に集中していることも明らかとなり、アフガニスタン、バングラデシュ、コンゴ民主共和国、ミャンマー、ナイジェリア、パキスタン、南スーダン、スーダン、シリア、イエメンの10ヵ国が深刻な飢餓に直面している全人口の3分の2を占めている。
最も深刻な状況として、2025年には「統合食糧安全保障段階分類(IPC)」システムにより、パレスチナのガザ県およびスーダンの一部地域で飢饉が確認された。これは食糧状態によって5段階のレベル分けがされるIPCシステムにおいて、最も深刻な5段階目にあたる。GRFCが報告を開始して以来、同一年に2つの異なる地域で飢饉が確認されたのは初めてであった。
これらの現状と同時に、急性栄養失調も深刻かつ増大する懸念事項となっている。2025年で3550万人の子どもが急性栄養失調に陥っており、これは、食糧危機に直面している地域のほぼ半数で不十分な食事や疾病、サービスの崩壊が複合的に反映された結果として栄養危機も同時に発生していることを示す。
本報告書ではこうした食糧危機の大きな懸念事項として、資金不足とデータの欠落が指摘されている。食糧危機に対する人道支援および開発資金は約10年前の水準にまで後退しており、各国政府等の対応能力が脅かされている。また、2026年のGRFCではデータが得られた国の数が過去10年間で最も少なくなっている。武力紛争が継続している場合が多いこともあり、深刻な危機に直面している国々のデータが欠如していることから、信頼できるデータの欠如や入手困難さが明らかとなっており、単純に数値のみを見て判断することができない。
気候変動や世界経済の不確実性に加え、ペルシャ湾における紛争の継続が引き起こす、食糧価格の上昇や、原油由来の肥料不足というリスクを抱える中、2026年も食糧危機がさらに高まる可能性がある。
食糧危機についてもっと知る→「報道されない東アフリカでの世界最悪の干ばつ」
飢餓の実例について知る→「ナイジェリア:記録的な飢餓と援助の停滞」

キャッサバの収穫、ナイジェリア(写真:IFPRI / Flickr [CC BY-NC-ND 2.0])





















0 コメント