アルゼンチン:過去の独裁政権に反対する大規模デモ

執筆者 | 2026年03月27日 | GNVニュース, 南アメリカ, 報道・言論, 政治, 法・人権

GNVニュース 2026年3月27日

2026324日、アルゼンチンはホルヘ・ラファエル・ビデラ氏による軍事独裁政権が誕生するきっかけとなったクーデターから50年を迎えた。ブエノスアイレスの有名な広場である五月広場周辺には数万人が集まり、「二度と繰り返さない」というスローガンと共にデモを行った。首都のみならず全国各地でも集会が開かれ、全体的な規模は数十万人に及んだ。

 アルゼンチンは1976年から1983年まで軍事独裁政権に支配された歴史を持つ。当時の政権は「汚い戦争」と呼ばれる民主化運動弾圧の下、反体制派とみなした市民の拘束、拷問、殺害、さらに乳児の誘拐などを行った。左翼ゲリラ、労働運動家、学生、ジャーナリスト、弁護士など3万人が行方不明となった。同政権は、ビジネスエリートや多国籍企業も当局の非人道的行為に関与していたことから、文民・軍事独裁政権とも呼ばれる。

多くの人が今もなお、当時の国家的犯罪に対する正義を求めて闘っている。例えば「五月広場の母」は、拉致された子どもの行方捜索する女性たちの組織として知られる。しかし現在それらの活動は危機に瀕している。アルゼンチンのハビエル・ミレイ現政権は極右政権として知られ、過去の軍事独裁政権の行いを軽視する傾向がある。報道によると、上記のような活動の公的資金援助の打ち切りや、非人道的行為を行った軍人の恩赦についての検討がなされている。

中南米の政治についてもっと知る→「中南米政治・社会が直面する課題

紛争などによる人権侵害から回復するためのプロセスである移行期正義についてもっと知る→「紛争後の正義の行方:ネパール

1978年以来毎週木曜日、五月広場で30分間の行進を行う「五月広場の母」:2014年(写真:Alessandro Grussu   / Flickr[CC BY-NC-SA 2.0])

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